ABO:ビジネス+IT=∞

ビジネス+IT=∞

 不動産業務支援ソフト「mioCube」の開発者であるミオソフト社長の清水正治さんは、元ゲームクリエイター。前回は、物件の様子が一望できるパノラマ3D、マウスで雑作なくできる間取り入力などにその“技”を見たわけだが、この間取り図がまた(特選物件に限ってだが)3Dアニメとして立体化される。この部屋はむろんカーソルで自在に歩き回ることが可能で、椅子やカーテンの配置もできる。さらに、朝・昼・夜の光の加減も見られるのだ。こうなると自分が実際に住まなくても、「こんな部屋に住みたい」をバーチャル体験するという、別の目的すら満たせてしまう。

 急の転勤であればいざ知らず、普通の引っ越しであれば、事前に十分な検討期間を持つ人が多いはずだ。ちょくちょく希望のエリアまで出かけ、このソフトの持つ遊び心にひかれてシミュレーションで居住を楽しむうち、その不動産業者に“行きつけ”の感覚を持つ。これからの不動産業者はそんなニーズも積極的に吸い上げ、顧客との息の長い関係を築くべきだろう。また、同業者間のネットワークもこれまで以上に重要になってくる。そのためにも「ワンソース、マルチユース」の簡易なこのソフトが、よき仲介役となってくれるはずだ。
 さて、この愉快なソフトを創った清水さん。プロのゲームプログラマーとしてのスタートはなんと、宝塚市を拠点としたPCゲーム黎明期のメーカー「シンキングラビット」だった。中学時代からすでにプログラムの神童ぶりを発揮していた清水さんは、高卒後スカウトされ同社に入社。名作パズルゲーム「倉庫番」の続編である「倉庫番Perfect」の企画やプログラムに携わった経験を持つのだ。
 このゲーム、まったく遊んだことのない人はいないと思うが、1つの二次元空間に散らばった荷物を、壁と通路を考慮しながら決められた場所に集めるという単純明快で奥の深いルールに基づく。だから、平面の間取りが立体化し、自在に“プレイヤー”が各部屋を歩き回るというmioCubeの3Dアニメはまさに、清水さんのゲームクリエイターとしての成長そのものを反映している。
 清水さんは同社にアルバイト時代を含め2年ほど在職し、次にビジネスソフト開発メーカーに転じた。そこでmioCubeの雛形となるソフトを生みだし、そこそこの成功も収めるのだが、そこからまた多難の時期を迎えるのだった……。

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