アスキービジネス

ABO:シスタン ~システム担当を雑用係と呼ばないで~

とある会社のシステム担当者「志須山丹悟(シスヤマタンゴ)」の日々の仕事を見ながら、世のシステム担当者を応援するブログ。

2006/12/20

シス担の年末年始
その一「有休がダメとはご無体な」

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「ななな、なんでですか!?」
冒頭から課長に対して「そんなご無体な」とせがむボク志須山丹悟。しがない中小企業でシステム担当を押しつけられて、日々「勘弁してよ~」とか泣き濡れながらあくせくと働いてます。

なんでそんなことになってるのかというと、事のはじまりは1時間ほど前のこと。
気がつけば今年も年の瀬がやってまいりましてですね、この1年を振り返ってみたわけです。
「あ~、今年も1年、泣いたり泣いたり泣いたり泣いたり…だったなぁ、シクシクシク」
…泣いてばっかかボク。
でも、なにはともあれ1年間シス担の重圧に耐えながら無事過ごしてきたわけで、これはぜひともねぎらいたい。誰もほめてくれない分だけ、自分で自分をほめてやりたい。
おめでとうボク。お疲れ様ボク。
そんな案配で、「さて、それじゃあ年末年始の休暇で、どんな風にねぎらってやるとしようかな」なんて考えていたわけでありますよ。

たまの長期休暇なので、ここはひとつ温泉にでも行ってみたい。それも3~4日くらい、のんびりじっくり行ってみたい。
でも正月ぐらいは実家に顔を出さないと、後でなにを言われるか分かったもんじゃない。
だけど、そうするには年末年始の休暇だけじゃ少し足りないわけで、前か後ろかに2日程度は有給休暇を付け足さないと、「のんびりじっくり」にはなりゃしない…。

それで、課長に有休の申請をお願いしに行ったのです。
そしたら冒頭のようなことになったわけ。

「年末年始の休暇にシス担が有休をくっつけるのは許可できん!!」…ですと。

そりゃ「なんでですか!?」と思うじゃないですか。これまた年の瀬にきてまで泣けてくるじゃないですか。
そしたら課長が言うんです。
「年末年始はすべての電源を落としておくように…というお達しがあった」
「だから、シス担は今年の最後にサーバの電源を落とす役目を担わなきゃいかん」
「んでもって、来年の最初にサーバの電源を入れる役目もはたさなきゃいかん」
「だからシス担が年末年始に有休なんかくっつけちゃったら、みんなが仕事にならなくて困るだろ!!」…と。

なんかね、省エネで経費削減で地球にやさしくが合い言葉らしいですよ。

そんなもんどうでもいいので、電気代もボクが払いますので、有休を取らせてはもらえないでしょうか。
そうお願いするボクの声は、「バカいってんじゃないよ!!」という怒号の前に、むなしくかき消されるのみなのでした。


2006/12/27

シス担の年末年始
その二「神様へるぷ」

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「年末年始に有休をプラスして~…」のお願いが闇に葬り去られたボク。泣く泣く席に戻って、「じゃあどうしよっかな~」と考えていたのですが、よく考えたらとんでもないことに気づいてしまいました。

「あのサーバって、前に電源落としたのっていつだったっけ?」

そう、考えてみれば昨年までは「年中無休が合い言葉」のサーバくんだったはずなので、電源を落とした覚えというのがとんとございません。もちろん、電源の落とし方くらいは不肖ワタクシでも(本を見れば)分かりますよのことなので、それ自体はいいのですが…。

「パッチだけはわんさとあて続けてきてるよね?」

セキュリティ系の改修とか、ハードの追加とか、その他もろもろのメンテナンスを、都度必要に応じてテコ入れしてきたこのサーバ。はたして電源をポチッと落としたとして、さてその後ですよ。
その後、本当に無事起ち上がってはくれるのでしょうか?

そして、もし起ち上がってくれなかった場合、ボクはそれに対処できるんでしょうか?

確か毎月愛読してる雑誌にも、そういう「問題なく動いていたサーバなのに、再起動した途端に障害が頻発するようになった」なんて話が載っていたような気がします。
ちょっと待ってちょっと待ってと、急速に不安になりながらパラパラリと雑誌を引っ張り出してきて、それらしい話題のページを読み漁ります。

「一度電源を落としたら、内部の冷却ファンがそれ以降動かなくなって交換の憂き目にあった」
「一度電源を落としたら、次に電源を入れてもHDDがスピンアップしてくれなくなった」
「一度電源を落としたら、再起動させた後サービスの稼働状況がズタボロになっちゃって、状況の把握だけで死ぬ思いをした」
「一度電源を落としたら…」
「一度電源を落としたら…」

…マジですか?

さっきまで頭に描いていた「温泉でまったりと疲れを癒す」光景は、今や「年始から罵詈雑言の中で泣きそうになっている自分」にすりかわっているのでした。

そんなこんなで、さて仕事納めの日。

「戸締まりするんだから、早く落とせよ」という課長の冷たい視線にプレッシャーを感じながら、「shutdown」とコマンドをうち、ボクはただただ神に祈りをささげたのです。


2007/01/10

シス担の年末年始
その三「審判の日はキマセリ」

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あっという間に年は明け、いよいよサーバの電源を再投入する日がやってきました。

まだ少々いつもよりヒト気の少ない駅を抜けながら、胸はドキドキ、胃はシクシク。
もしこれがうまくいかなかった場合、それこそ機械的な不良かなにか出ちゃった場合、はたしてボクの今日1日のスケジュールはどうなっちゃうんだろう。
そんなことを考えると、思わず回れ右をして帰りたくなる自分がいます。

でも、当然そんなわけにはいきません。

こうしてボクは年明け初日の出社日に、ドキドキしながらサーバの前に陣取って、まさに今、震える手でもって電源を入れようとしているのでした。

「おう、お前正月休みにどこ行った~?」
「ボクはスキーに行ってきましたよアハハハハ」
「ワシはなぁ…ガハハハ」
周囲からは、実にのんびりとした声が聞こえてきます。
こちらの緊張などどこ吹く風。ほんとすばらしく対照的。

「おい、まだかよ、早くしろよ~」

そんな声が聞こえたのとほぼ時を同じくして、ボクの右手はポチッと電源ボタンを押しきりました。

ブブッ…というくぐもった音の後、ヒューンと聞こえてくる冷却ファンの音。カリコリコリとHDDの音がそれに続き、やがて見覚えのある画面が、ディスプレイに映し出されてきます。

「よかった、とりあえずハード的に問題が出ることはないみたいだ」

そうしてそのまま、ボクはサービスの起動する様子をじっと眺めます。背後からは、相変わらず緊張感のない声がやいのやいのと聞こえていました。

そしてさらに5分が過ぎ。

「サーバ、無事に起動しました~」
皆の方を振り返って、そう告げるボク。
その表情は、安堵の笑みを満面にたたえたものだった…というのは、もはや言うまでもありません。


2007/01/17

シス担の年末年始
その四「共有できない想い」

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「なんだよやっとかよ、いちいちやることが遅えんだよ」
「ったく、誰かさんのせいで、1年のスタートがすっかり遅くなっちゃったなぁ」
「たかが電源ボタン押したくらいで、なにをひと仕事終えたみたいな顔しとるんだバカモンが」

『え? え? えええ~~~!?』

サーバが無事起動したことに心底ほっとして、その気持ちそのままに「起動しました!!」とはずむ声で報告をしたボク。
そのボクに向けられた声は、どれもこれも辛辣なものばかりでした。

『こんなに不安だったのに!?』
『ちょっとくらい一緒に喜んでくれても!?』

口が大きく開いたまま固まっているボクの前を、後輩がフンと鼻を鳴らしながら抜けていきます。
先輩は席についたかと思うと、これみよがしに右手を突き出して、ポチリとパソコンの電源ボタンを押しました。そしてフンと鼻息ひとつ。
課長は…、あれ? 課長がいない。

「…たく、なぁ」

ボクの背後から、課長の声が聞こえてきました。すわと振り返ると、あまりにもその顔が至近距離だったもんで、一瞬心臓が止まりかけました。

「…ったく、電源ボタンを押すなんぞ、誰でもできることだろうに。なんでそんなのをこんなシス担にさせにゃいかんのか…ブツブツブツ」

『えええええ!!』
『そ、そんなことアンタが言っちゃうのぉぉぉ!!!』

だったら素直に有休を使わせてくれりゃよかったのに。そしたらボクだって、年末に温泉番組を見るだけじゃなくて、ちゃんと本物の白くあたたかな湯につつまれて、ぷひゃーと息抜きできたのに…。

つい2~3分前に「これで今日は無事帰れる」と喜んだアノ気持ち。それは誰にも理解されないままかき消され、やっぱりボクは「報われない」と新年早々、泣き濡れることになったのでありました…とさ。

とほほほほ。



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