2007/05/23
5月にハートブレイク
その二「あて先不明でショッキング」

ピコリン。
20年前の私に訪れたショッキングな出来事。それは一通のメールからはじまった。
その日、いつものように出社して、いつものようにパソコンの電源を入れて、いつものようにその日の仕事に必要な書類を整理していた朝のこと。立ち上げたメーラには、いつものように仕事関係のメールがちょぼちょぼと、システム回りのアラートを示しているらしきエラーメールがわらわらと届いてきました。その中で、必要なものには返信を書いて、必要なものは内容をチェックしてひと息ついたあたりのこと。
ピコリン…と、またまたエラーメールが一通流れてきたんです。件名から、「ああ、あて先不明ではじかれちゃったメールだな」というのはすぐにわかりました。
なんの気なしにそのメールをクリックして、それと同時に差出人の名前が目に入ってドキンと胸が高鳴って。…と思った時には、目の前に映し出された本文が、目に飛び込んできました。
「今日、また泊まってもいい? 昨夜はすっごく楽しかったから、なんか帰りたくないんだ~」
差出人は、河湯 伊代さん。あて先は…怖くて見ることができませんでした。
午後近くになって、またまたピコリンとメールが転送されてきました。やはりあて先を間違えているらしきメール。差出人は河湯 伊代さん。
「どうしたの? お返事ちょうだい?」
どうも届いてないことに、本人は気づいてない様子です。他人のことは言えないけど、この人も天然ボケ入ってるからなぁ。
その後も少し時間を置きながらピコリン、ピコリン…とメールは続きます。もう怖くて中は見ないようにしていました。ただ、「これを本人に伝えるべきか否か、どう伝えるべきか」と、そればかり考えていました。
内容がこれじゃなきゃ、サクッと伝えて終わりなんだけど…。
…というか、ボクって失恋したの?
この日を境に、しばらく暗い表情の伊代さんを見かけることが増えたように思えます。ボクはボクで、伊代さんを見るとぐっと胸が苦しくなるので、あまり話しかけることもできず…。
そうこうするうちに月日が過ぎて、季節が冬になろうという頃。彼女は退職していったのでした。
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