2007/04/25
止まっちゃったシステム
その二「異変はある朝突然に」

「書けないよ」
ある朝のこと、出社したボクのもとに、そんな苦情がいきなりどさっと出てくるようになりました。書けないよといっても、ボールペンのインクが切れたとか、そんなかわいいもんじゃありません。
「ファイルが保存できない」
「メールが受信できない」
「なんかソフトが固まって動かない」
「いいからとにかく助けてくれ」
そんな苦情がどさどさと出てきたのです。個別に症状を見てまわると、どれもこれも「サーバの共有ディスク上に書き込めない」ことに起因するトラブルで、それでつまりは「書けないよ」と。
でも、なんでそんなことになってるんだか、兼任シス担マンなボクにはとんと検討もつきません。
『なんでいきなりこんなことに…?』
どーしようどーしようと焦るボク。
しかし、このトラブルときたら、そんなまごつく暇すら与えてはくれません。
午後に入ると、今度はネットワークが死にはじめました。
相変わらず理由なんかわかりません。とにかく、オフィス内のあちこちで、ネットワークにつながらないマシンが頻発してきたのです。
大事な資料が開けない。
印刷ができない。
メールもNG。
ネットで調べ物もできやしない。
こりゃまずい。
「これじゃあ仕事になんないっすね~、アハハ~。んじゃ、今日はもう早退しよっかな~」
…なんてのん気なセリフをはく後ハイくんに少々殺意を抱きながら、ボクは引き出しの中をひっかき回していました。
サーバメンテナンスを依頼している、業者さんの名刺を探していたのです。
「こんなん、ボクの手に負える状態じゃないもの。早く来てもらわないと」
と、その時。
「志須山~、外線2番に電話~」
『ん? ナンダナンダこの忙しい時に』
内心では勘弁してよと思いつつ、とりあえず取り次いでくれた同僚にペコリと頭を下げて、その電話に出てみると…。
「あ、どもー。なんかサーバがトラブってるみたいですねー。今すぐそちらに向かいますのでー」
電話の主は、まさに今捜索中であった名刺の持ち主でした。
「うわ、助かりますー」
なんでわかったんだろ、と不思議に思うよりもなによりも、とにかくボクはほっとして、電話口に頭を下げ続けたのでした。
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