2007/03/07
バージョンアップで艱難辛苦
その三「あえてそこは見ないフリ」

「やばいかも」
そう思いはじめたのは、午前2時を少しまわったあたりのことでした。
のんびり1台1台CD-ROMを突っ込んではバージョンアップを済ませてきたんですが、この処理に思ったよりも時間がかかる。「バージョンの確認を行なっています」…「アップデートしています」…という処理に、なんでだろうと不思議になるほど、時間がかかる。
でもまぁたいした台数じゃないだろうし、いっか…と思ってたんです。
ところがやってくうちにわかってきたのは、「ウチの部署って、誰一人としてバージョンアップしてくれてなかったんだ!?」ってことでした。電源入れて確認したら、あれもこれもそれもどれも、ウイルス対策ソフトのバージョンは見事に古いままなのです。
まさかこのフロアすべてのパソコンを、1台ずつバージョンアップさせていくとは思っていませんでしたよ。大誤算という奴ですよ。
悪くても半分くらいだろうと思っていたボク。
ちょっと確認していって、やってないのがあったらバージョンアップさせてくか…くらいに考えてたボク。
甘かった。
虫歯になるくらいに激甘だった。
目の前でヴィーンと唸るDVDドライブの音を聞きながら、ぱっと視線を上げて隣のシマを見てみると、そこにはズラズラ~と居並ぶ多数のパソコンたち。
もちろんそっちは、まだ手をつけてないシマです。つまりはそいつらを、まだこれから1台ずつチェックしていかなきゃいけません。
全部であと何台あるんだろうか。
つか、ほんとに今日中に終わるのかなこれ。
全部であと何台かなんて、数えりゃすぐにわかる話ではあります。なのですが、あえてここは数えない。現実なんて知りたくない。
とにかく目の前のを片付けていきゃ、いつかは終わるのさアハハのハ~なわけですよ。
ヴィーン…チチ…チチチッ。
ヴィーン…チチ…チチチッ。
手持ちぶさたなまま、CD-ROMの読み込み音だけ聞いてると、じんわりと背中に嫌な汗が浮かんできます。
気がつけば、時刻はすでに午前3時。
ボクの頭の中のハツカネズミさんは、「ヤバいよヤバいよ」と騒ぎつつ、ガラガラ滑車を回すのでありました。
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