2007/02/07
憧れのリモート管理
その三「どうだどうだと指をさす」

ドドーン!!
ふっふっふっふっ。
そんな派手派手しい効果音が聞こえてきそうなほどに、圧倒的な勝利でした。あの課長がですよ、あっけにとられるばかりで何も言い返してこないのです。
「現在のトレンドはどうであるか」
雑誌記事を示しながら滔々と語りました。
「どう営業さんをサポートすべきか」
前向きな姿勢でもって、熱く語ってみせました。
正直なところトレンドだなんだとボクにだってよくわかっちゃいないわけでありますが、そんなことを気取られてはいけません。目指すは自宅からサーバ管理。いちいち泊まり込まなくてもすむ未来よコンニチハ…なのです。
「しかしなんでお前は、そんなにリモートうんちゃらとかいうのをしたいんだ?」
「そ、そ、それはもちろん、現場の声もありますし、必要だよな~と思うからなわけで…」「ふ~む」
考えてみれば、シス担という立場になって、こんなにも主張・提案をしてみたことは、これがはじめてだったかもしれません。いっつもなんか「やれ」と言われて振り回されてただけだもんなぁ。
そう考えると、ボクも少しは成長したということかしら。
う~んと考え込む課長。
その前で、う~んと過去に思いをはせるボク。
はたからは、2人してなにか重大な壁に突き当たってるように見えたに違いありません。
「ところで、そのリモートってのはなにがいいんだ」
「それはですから、外からですね…」
「あー、いいからちょっと耳を貸せ」
「はぁ」
『それはあれか、あー、あー、おねーちゃんのいるお店でも仕事ができちゃったりするのか?』
『は…?』
こ、このオヤジ、それでなにやる気だ!?
「えーっと、“やろうとすれば”できると思います」
やらせませんけど、という言葉はとりあえず飲み込むとします。なんだか今日のボクは、我ながらかなり策士なのです。
「ふむふむ、それは確かに便利かもしれんな」
この課長の頭には、いったい今どんな光景が広がっているんでしょうか。
『一度開いて見てみたい』
目の前でニヤニヤ笑う課長を見ながら、ボクはそう思ったのでした。
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