2006/11/15
なんでボクがシスタンなんですか?
その四「叫び」

「うは、ほんとですかそれ~」と後輩くん。
「ほんとだよ、だってオレと課長とで決めたんだもん」と先輩の声。
そして聞けば聞くほど心の中がブラックに染まりゆくボク。
『名前が志須山丹悟だからシス担に決定ね…って、あまりにそれはヒネリなさすぎだろ!?』
そう心のうちで叫ぶボクの面前では、「ガハハハハ、いや実はそうなんだよガハハハハ」と、課長がバツの悪そうな薄ら笑いを浮かべています。
もうあらためて確認するまでもありません。
その表情こそが、先輩の言っていることに間違いないと雄弁に語っているからです。
くらっと遠のく意識の中で、シス担になってからの1年あまりが走馬燈のように駆けめぐりました。
ああ、サーバが再起動にしくじったよと呼び出されたあの大雪の日。
ああ、勉強のためにと雑誌の定期購読をお願いしたらふざけんなと却下されたあの雨の日。
そういや、夜中に床下のケーブルと格闘するなんてことも、一度や二度ではなかったよなぁ。
自腹切って勉強して、なんとか皆に迷惑をかけないようにとがんばってきたよなぁ。
結果この1年で、財布はとことんお寒くなったけどさぁ。
「あ、あ、あれ!? シ、志須山そこにいたんだ!?」
頭の中で「北の国から」のテーマソングが流れはじめ、すっかり幽体離脱気味になっていたボクの意識に、とつぜん先輩の声が割り込んできました。
振り返ってみると、やや青ざめた顔で先輩がこちらを見ています。そしてその横には、必死で笑いをこらえているらしき後輩の顔。
……プチン。
「いたんだじゃないですよ!! ホント勘弁してくださいよ!!」
考えてみれば、シス担になってから何度ボクは「勘弁してくださいよ!!」と叫んだかわかりません。
でも、これほどまでに大きな声で叫んだのは、後にも先にもこの時だけだと思います。
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