2007/09/20
東京都の財務諸表
東京都は優良企業!?
株式市場や政治の混乱、相次いで明らかになった年金がらみの不祥事。最近はお金に絡む暗いニュースばかりが続きます。明るいニュースといえば、柔道の谷亮子選手が、世界柔道で「ママでも金」を達成したことぐらいでしょうか。
不祥事を減らすには、そもそも不正ができない仕組みを作ったり、積極的な情報開示をすることが大切です。たとえば、国民から年金をいくら徴収して、それをどのように使ったり運用したのかを誰にでもわかるように公表したら、不祥事は減るでしょう。
実は東京都が、こうした積極的な情報開示を行なっているのをご存じでしょうか? 東京都は、先日、全国初の企業の決算書の考え方を利用した平成18年度の決算書を公表しました。これにより、収支データだけでは見えてこなかった情報が見えてきたと評価されているようです。
たとえば、在籍している都の全職員が自己都合で退職したと仮定した場合、約1兆4000億円ものお金が必要になるといった事実が把握できたこともその1つ。これはあくまでも「現時点」での「自己都合退職」の場合の金額ですから、実際に定年退職を迎えた場合を考えると、もっともっと多額の退職金が必要になるものと考えられます。
なお、データを見る限りでは、東京都は企業として考えれば、わりと優良ではないかと考えられます(もちろん地方自治体ですから、一般企業とまったく同じ判断はできませんが)。優良な企業であると考えた1つの理由は、自己資本比率の高さです。
東京都は「負債」(借金)を大きく上回る「資産」(資産)を有しています。負債約8兆3000億円に対し、資産は約26兆9000億円です。つまり、すべての負債を返済しても手許に約18兆5000億円残る計算になります。返済しなくてもいい財産を「正味財産」(企業会計では「純資産」)といいますが、正味財産が多いほど安定した経営ができることになります。
この点、正味財産の割合の多さを
自己資本比率=正味財産÷資産
として計算し、自己資本比率が高いほど安定した企業であると考えます。
東京都について計算してみると、自己資本比率約70%です。国内の上場企業の自己資本比率の平均値は約40%ですから、東京都は非常に安定性の高い組織であるといえるでしょう。
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