2007/09/05
決算書と財務諸表監査
会計士の舞台裏……地道な作業が決算書の不正を暴く
決算書をチェックするため、公認会計士は前回紹介した「突き合わせ」以外にもさまざまな手法を用います。これらは地味で、かつ地道な作業ですが、あまり目にすることがないであろう会計士の仕事の一部としてご紹介しましょう。
まずは「確認」と呼ばれる手法。これは、取引先や銀行に対して、決算書に記載されている取引が存在するのか、正しく記載されているかを文書で問い合わせる手法です。具体的には、売上代金としてまだ入金されていない場合、決算書に「売掛金」として記載されているものが本当に存在しているか、売上先に会計士が文書で直接問い合わせるというものです。これにより、架空の売掛金はないか、結果として架空の売上はないかをチェックします。
銀行に対しては、預金残高や借入残高などがいくらあるのか問い合わせます。この際、普通預金や借入金といった項目のみを記載した用紙を送付し、銀行に書き込んでもらいます。よって、本当に預金が存在しているかを把握できるのはもちろんのこと、決算書に記載されていなかった預金や借入を発見できることもあります。
なお、この「確認」という作業は、改ざんが行なわれないよう先方への問い合せ文書の封入作業から、ポストへの投函、相手先からの回収、開封まで、すべて会計士の手によって実施されます。
次に「実査」と呼ばれる手法。これは、企業の金庫の中の現金や手形、小切手などが、実際に存在しているかどうかを確かめるというものです。具体的には、金庫の中の現金はもちろんのこと、手形や小切手が決算書に記載されているだけ存在しているかを数えたりします。銀行の帯封がついているような現金の束も、わざわざ帯封をはずして数えます。また、手形帳や小切手帳などについても冊数や使用状況をチェックします。時には、銀行の貸金庫まで訪ねていき、そこで企業の現金などを数えることもあります。こうすることで、決算書に記載された現金などが、確かに企業内に存在していることを会計士自らが確かめることができるのです。
そのほか、企業が実施している棚卸作業に同席する「立会」、決算書数値から比率などを計算して矛盾点の有無を調べる「分析的手続」など、会計士はさまざま手法を駆使して決算書をチェックしているのです。
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