ABO:会計士平林亮子の経営カウンセリングルーム

公認会計士の平林亮子が、企業経営に関するさまざまな話題を会計の視点から語ります。

2007/04/23

「領収書は10万円まで」のワケ
権限と予算

 会社の備品などを購入する際、みなさんの会社には「領収証が10万円未満になるようにする」「20万円未満の領収証じゃないと認めてもらえない」などのルールが存在していませんか? ちなみに私の知り合いの会社では、10万円未満の備品の購入は部内の決裁で済むのに、10万円以上の場合には経理部門を通さないと購入できないといったルールがあるそうです。

 実は、10万円、20万円、30万円といった金額を基準にしたルールは、おおよそどこの会社にも存在しています。また、「未満」「以下」という点も厳格に決められていることがほとんどです。なぜ、このような画一的なルールが存在しているのでしょうか?
 第一の理由は、会社のお金を浪費されては困るからです。浪費をしないよう、会社では通常「決裁権限」といったものが定められています。その規定に基づいて、「××円以上なら部長の権限」「××円以上だったら社長の権限」で決裁がなされるというわけです。

 また、浪費をしないという点では、「予算」も大きな力を発揮します。「予算内」の経費であるか「予算外」の経費であるかによって、処理方法に違いがあるといったこともあります。
 会社は、お金を使うことに対して、慎重な意思決定をするもので、領収証の金額に制限を設けることで、浪費をしないよう工夫しているという一面があるのです。

 しかし、それだけなら、10万円、20万円、30万円といった共通の金額が基準になる必要はありません。各社、それぞれの状況に合わせたルールを設ければいいのです。

 実は、領収証の金額に関するルールが存在するのには、もう1つ重要な理由があります。

 それが「税金」です。

 冒頭で挙げた10万円、20万円、30万円という金額は、税金の面で大きな意味を持っているのです。次回は、会社が支払う税金と「経費」の関係を見ていきます。

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