アスキービジネス

ABO:会計士平林亮子の経営カウンセリングルーム

公認会計士の平林亮子が、企業経営に関するさまざまな話題を会計の視点から語ります。

2007/04/17

ビジネスを始める
資金を調達するには?

 前々回のエントリで、起業には最低でも300万円必要というお話をしました。実際に起業をする際、こうした必要資金を見積もったら、次はその資金をどのように調達するかを考える必要があります。
 資金の調達方法には大きく、①出資してもらう(自分自身の出資も含む)②他人から融資してもらう、という方法があります。
 「出資」とは、返済義務のない資金の調達です。株式会社に出資した人は「株主」と呼ばれますが、会社が儲かったら配当という恩恵を受けることもできる一方で、会社が倒産したら自分の出資したお金は会社から返済されない可能性があります。
 それに対して「融資」とは、返済義務のある資金の調達です。融資をした人は「債権者」と呼ばれますが、会社の儲けに関係なく、契約に基づいて返済を受けることになります。なお、融資の返済は、元本とあわせて利息の支払いが必要になります。
 会社にとっては、返済義務がない出資による資金調達が望ましいと言われることがあります。しかし、株主は会社の経営にあれこれ口を出す権利を持っていますから、一概にどちらがいいとは言えません。
 そうはいっても、銀行などの金融機関から融資を受けると返済がたいへんですし、そもそも融資を受けられるのかどうかもわかりません。また、個人的なお金の貸し借りをした場合、それが大きなトラブルの種にもなりかねません。なお、お金を借りた場合には、どんなに親しい間柄の人であっても契約書(金銭消費貸借契約)を取り交わしておくことが大切です。
 それぞれの資金調達のメリット、デメリットを踏まえたうえで、どちらをとるか考える必要があります。なお、個人事業規模で起業する場合には、他人からの出資や融資に頼らず、すべて自己資金でまかなうのが理想だといえるでしょう。
 結局、300万円の起業資金を自ら貯めることこそがビジネスの第一歩になるということですね!


2007/04/09

ビジネスを始める
起業に必要な役所の手続き

 起業には、1.個人事業とする、2.会社を設立する、という大きく2つのスタイルがあります。少し乱暴な説明になりますが、個人事業とは個人の名前でビジネスを行なうということ。それに対して会社を設立する場合には、会社の名前で契約し、会社の名前で業務を実施していくということです。
 いずれの場合も、税務署に届出が必要であったり、儲かったら税金を納めなければいけない点では共通しますが、異なる点もあります。ビジネス開始時の主な手続きなどの違いについて、以下の表にまとめます。

  個人事業 会社
(1)法務局への届出(登記) 不要 必要(登記費用20万円程度)
(2)税務署への開業届け 必要 必要
(3)社会保険事務所への届出 ある程度の規模になったら社会保険への加入が必要 社会保険への加入が必須
(4)ハローワークへの届出 人を雇う場合には必要 人を雇う場合には必要
(5)(飲食店など)許認可が必要なビジネスを行なう場合 必要 必要

 また、こうした各種届出は、専門家に任せることが可能です。(1)の法務局への届出を代行してくれるのは司法書士、(2)は税理士、(3)と(4)は社会保険労務士、(5)は行政書士となります。それぞれ、こうした決まった専門家がいることを覚えておきましょう。そしてもちろん、代行してもらえばそれぞれ手数料が必要になります。
 なお、会社を設立した場合、会社の責任が経営者に直接およぶわけではないというメリットはありますが、実際には、個人事業規模の会社の場合、個人と会社を明確に切り離してはもらえないこともあります。手続きの複雑さを考えると、一般的に個人事業のほうがハードルが低くなります。また、それに付随して届出に絡む手数料などの初期投資が少額で済むというメリットもあります。


 4月は、新たな生活がスタートする節目の月です。そこで今回から数回に渡り、ビジネスを「始める」ためにはどうしたらいいかという話題についてお話しましょう。

 年功序列型賃金、終身雇用と言った日本的経営制度が崩れ、格差が拡大しているといわれる今日、「独立」「起業」を1つの選択肢として考えている人も多いのではないでしょうか。また、団塊世代の大量定年退職時代を迎え、新たなスタートとして起業を目指す方も多いようです。
 ところで、独立や開業をするためには、いったいいくらくらいの元手が必要になるのかご存じでしょうか? 新しいビジネスやプロジェクトに必要となる当初の資金を「初期投資」といいます。しかし、この初期投資の具体的な金額は、ビジネスの内容によって異なります。
 一般的に、ビジネスを始めるためには、まず住所が必要になります。作業場所は必要なくても、名刺に書けるような住所は必要です(もちろん、自宅を利用することもできます)。また、電話やパソコンなど、それぞれのビジネスに応じた備品などをそろえることになります。個人事業ではなく会社を起こす場合には、設立費用もかかります。

 こうしたビジネスを始めるためには、まず必要な「初期投資」の金額をしっかり見積もることが大切です。
 そして、実際には、その初期投資に加え、1年間程度の運転資金も用意しておくほうがいいでしょう。たとえば、月々の水道光熱費や交通費、通信費など、1年分の必要経費を大雑把に見積もり、初期投資とあわせて用意しておくということです。
 実際に、スムーズに売上が確保できるようになるまでには、意外と時間がかかることもあります。ましてや、代金を回収するまでとなると、何が起こるかわかりません。

 ちなみに、私は最低でも「300万円」を用意するようお勧めしています。それだけあれば、当分はなんとかなります。また逆に、300万円程度を用意する力がなければ、これから先のビジネスの舵取りは難しいとも言えるからです。



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