アスキービジネス

ABO:ファイナンシャルプランナー山田章子のマネー相談室

ファイナンシャルプランナー 山田章子のマネー相談室

 10月1日より、日本郵政公社は民営化され、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が誕生します(窓口はいずれも郵便局)。そのため、基本的にこれまでの貯金や保険はゆうちょ銀行、かんぽ生命に引き継がれ、キャッシュカードや通帳なども継続して利用が可能となりますが、教育積立貯金など一部の貯金は廃止され、かわって自動車保険や変額保険の取り扱いが順次開始される予定となっています。

 生活者のためのサービスが削減されていることは少し残念ですが、民営化されて株式会社に生まれ変わるということは、営利目的の企業となり、利益を追求していくことが求められます。そのため、これまで以上に投資信託など手数料収入が期待できる金融商品が拡大されるなど、取扱商品やサービスは少しずつ変化していくことでしょう。
 郵便局の魅力は、全国津々浦々に点在し、同じサービスがどこでも受けられる点。今のところ、過疎地の局もこれまでどおり継続される予定ではありますが、取り扱い商品などには一部の店舗のみで販売されるなど格差も生まれそうです。また、今後の運営力によっては、局の統廃合が検討される可能性も否めません。

 この点では、従来の利用者もインターネットバンクを取り入れたり、口座の窓口となるATMを探しておくなどの対策が必要になりそうです。

 ところで、新しく誕生するゆうちょ銀行は、貯金残高は188兆円、総資産222兆円を誇る日本最大のマンモス銀行となります。一方、郵便局経由で取り扱われている投資信託は合計9本。その累計額は9471億円(7月末時点)にのぼり、年内には1兆円を越すと言われています。今後も、満期の貯金が投資信託へ流入し、貯金は減少し、投資信託の残高が増加することが想定されています。

 それを裏付けるようなデータが日銀より発表となりました。

 日本の家計における金融資産の残高は1555兆円3989億円で、前期から1.4%の増加となり過去最高を更新。3カ月で1.4%も家計の金融資産が増加しているということは、やはり投資へも積極的に資金が向かっていることの現われと言えるでしょう。
 内訳を確認すると、現金や預金残高は0.2%減少し50%に。投資信託や株式投資への配分が5%ずつへと増加していました。

 郵便局に限らず、預貯金から投資へと向かう流れは今後も加速すると考えられています。

 ところが「郵便局で扱う投資信託なら安心」というわけではありません。

 現在、郵便局で一番人気の投資信託は「野村世界6資産分散投信」で、郵便局経由の投資信託残高のおよそ半数をこのファンドが占めています。この投資信託は国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに分散投資するもので、一見、分散されている分だけ値下がりのリスクも限定的のように思われがちです。しかし、先日のサブプライムショックで一時は10%も下落する局面が見られました。海外の株式、債券、不動産への投資には為替の影響を受ける仕組みであったため、円高と株安でファンドの基準価格が大幅に減少したためです。

 家計の資産運用には攻めと守りが必要です。当然、株式投資や投資信託への投資など積極的な攻めも必要になりますが、リスクを知らずに気軽な気持ちで定期貯金の満期金を投資信託へ移動させてしまったとしたら……。とても恐ろしいことですよね。

 郵便局は民営化後も、身近な金融機関であることにかわりはありません。ただ、取り扱われている金融商品やサービスは、他の金融機関と同じです。金融商品を選ぶときは、いま一度、自分で考え、本当に自分の資産形成スタイルにあっているのかを再確認しましょう。


 米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の焦げ付き問題が、世界の株式・為替市場を震撼させています。今回は、サブプライムローンとは何か? どうして世界中が巻き込まれてしまっているのか? そして、近年欧米流に変化しはじめている日本の住宅ローン事情と合わせてご紹介していきたいと思います。

 まず、サブプライムローンを一言で説明すると、「一般の住宅ローン(プライムローン)に対し、低所得者など一般のローンを借りられない人を対象にした住宅ローン」のことです。

 今回問題となっているサブプライムローンをはじめ、最近は日本でもローンを債権化する傾向にあります。これが、米国の一部の住宅ローン問題が世界へ飛び火した1つの原因でもありました。通常は、銀行など金融機関が住宅ローンの資金を個別に貸してくれていると考えられていますが、それでは住宅購入希望者によって、金融機関が請け負うリスクは一定になりません。

「1千万円の年収がある人に3千万円のお金を貸すのと、600万円の年収の人に3千万円を貸すのでは、貸し倒れのリスクが異なるので、600万円の年収の人には高い利息をつけよう」

 こんなことがあっては困りますので、数多くのローンを集めて1つにまとめ、住宅金融支援機構がいったん引き受け、それを債権化して金融機関や企業など大口の投資家に一口1億円などの単位で振り分けます。こうすれば、不動産価格が下落している地方の銀行も不動産価格が上昇している大手銀行もリスクが分散されます。また、借り手も誰もが同じ条件で住宅ローンを申し込むことができるようになります。

 この仕組みは素晴らしいですよね。ところが……。

 プライムローンの債権化で成功した住宅ローン業者と投資家は、欲を出してしまったのでしょう。通常のプライムローンではお金を借りられない信用の低い人にも同じような仕組みでローンを作り、かわりに高い利息をつけました。これがサブプライムローンの誕生です。

 もともとサブプライムローンは一般のプライムローンに比べ、焦げ付きが多いのが特徴です。ただ、高い金利と不動産価格の上昇が、ある程度の焦げ付きをカバーできてしまっていました。価格が上昇していれば、担保として不動産を取り上げることで、業者も投資家も損をしない仕組みだったのです。
 不動産価格が上昇威力を増すと、このサブプライムローンの債権は人気を集めます。多くの債権をばら撒くためには、多くの低所得者にローンを組んでもらわなければなりません。そのため、審査基準も徐々に甘いものになってしまったと言います。

 ところが昨年末あたりから、右肩上がりに上昇を続けていた不動産価格に異変が起きます。上昇がストップしてしまい、下落を心配する新たな購入希望者は様子見状態。一部では下落もみえはじめています。日本のように「不動産バブル」がはじけたのか? その寸前なのか、それとも、踊り場の小休止なのか……? 大半の投資家は、不動産価格はしばらく下落に向かうと考えています。
 不動産の好景気が力強い米国の消費を後押ししていたため、不動産価格の下落は米国の消費低迷につながることも考えられます。

 このようにして生まれた「高い利息の債権」を世界中の投資家が購入し、なおかつ米国の景気悪化を懸念する声があがったため、米国以外の金融機関にも衝撃が走ったのです。

 サブプライムローンには、もう1つの危険が最初から見え隠れしていました。利息は2段階方式で最初はプライムローンと同じ6%程度の金利ですが、数年後からは10%前後にまで金利が跳ね上がる仕組みだったのです。サブプライムローンを利用した人の中には英語を得意としない南米などからの移住者も多かったといいますから、3割以上も返済額が上昇して、はじめてローンの仕組みを理解した人もいたかもしれません。

 実は、日本でも2段階方式の住宅ローンで問題になった過去があります。「公的」のイメージの強い住宅金融公庫も、以前は2段階方式の金利を設け、10年後からは金利が引き上げられ、それに伴い返済額も上昇する仕組みとなっていたのです。ただ、これは米国の事情とは異なり、当時は物価も給与も徐々に上昇して当たり前の時代であったため、10年も経てばローンの金利上昇分以上にお給料もアップしていた……という時代背景の中で生まれた優れた仕組みでした。

 ただ、日本でもバブルがはじけ、不動産価格は滑るように下落。デフレと言われる時代が訪れ、お給料は上昇するどころか下落しはじめます。リストラなどで残業費を削られ、なかには職を失う人も出てきました。その一方で、マイホームを購入するために借りたローンの金利が上昇する……。
 この頃から、2段階方式の住宅ローンは危険だということになり、現在は固定金利を選択する「ずっと同じ金利」が当たり前の時代となったのです。

 住宅金融公庫が新しく生まれ変わり「住宅金融支援機構」となり、現在は、民間の銀行などを通じて「フラット35」という住宅ローンを扱っています。これは、最長35年返済で金利はずっとフラット(固定型)なのが特徴。しかも3%程度と、固定金利型にしてはとても低い水準です。

 欧米の住宅事情と比較しても、今の日本は不動産価格が底を打ったばかりで、金利も低水準に留まっています。また、長引く不況のおかげでローンの仕組みもかなり改善され、これからマイホームの購入を検討する利用者には恵まれた環境といえます。

 民間の金融機関は、各行独自の住宅ローンとフラット35の両方を扱っているのが一般的です。金利の仕組みや手数料などを含め、じっくり検討して、ご自身の返済プランにあった住宅ローンを検討していただきたいと思います。


 私事ですが、お盆休みに携帯電話の機種変更を行ないました。これで、私も念願のおサイフケータイデビューです!(^^)v

 パソコン派の私にとって、携帯電話はほとんどが「音声受信」専用であったため、最初の設定は難しいかな……と不安もありましたが、意外とスムーズに完了! 早速、電車やバスで「ピピッ」と体験してきました!

 いや~~、便利ですね!

 私が今、携帯電話のおサイフ機能で利用しているのはSuicaEdyです。
 ご存じSuicaは、バスや電車はもちろん、駅の売店や駅中ショップでも利用可能。一方、レストランやコンビニなどへも加盟店数を増やしているEdy。もともとカードとして利用してきたこれら2枚分の機能が1つのケータイに入ったことで、使い勝手がますます向上しました。

 また、どちらも入金は普段利用しているクレジットカードからもできますので、これを活用すれば電子マネーのポイントとクレジットカードのポイント(マイレージ等)をダブルで貯めることもできるのです。ATMでお金を引き出す手間や手数料の必要もなくなりますから、便利なだけではなく節約にもなりそうですね!

「でも、つい無駄使いをしちゃいそうで…」

 こんな声も聞こえてきそうですが、それも心配無用。どちらも「入金(デポジット)した金額だけ利用できる」仕組みで、利用履歴はパソコンや携帯電話からも確認可能。支払い時には残高の確認も行えますので、毎月一定額を入金しておくなどの方法で、無駄使いの防止にも役立ちそうです。

 特にサラリーマンやOLの場合、コンビニやランチ代など日々の出費は小額決済がほとんどです。売店ではレシートすらもらえないことも多いし、千円程度のタクシー代でクレジットカードを出すのも気が引ける……。こんなときも、専用の読み取り機に「ピピッ」とかざすだけのおサイフケータイなら安心。買い物履歴をコピーしてまとめておけば、家計簿の代わりにも利用でき、普段は見逃していた小さな出費も「塵も積もれば……」ではありませんが、見直しのきっかけになるかもしれません。

 小銭いらずだけじゃないおサイフケータイ、ぜひあなたも検討してみてはいかがでしょう。


 先日、「携帯電話の料金が高くって…」と友人から相談を受けたので料金プランを見直しすとと、翌月から4割近くも節約できたといって喜んでもらうことができました。

 競争が激化している携帯電話各社は、割引プランや有利なオプションサービスを数多く設けています。自分の使用状況に応じてプランを上手に使いこなせば、請求金額を大幅にダウンさせることも可能です。

 たとえばNTTドコモでは、2年間の継続利用を条件に、基本使用料を半額にまで割引くサービス「ファミ割MAX50」に続き、今月から「ひとりでも割50」の導入を開始します。これで、新規に契約した直後からでも基本使用料を50%に引き下げることができます。申し込みは、ドコモ店頭ではすでに受付が開始されており、インターネットでの申し込みはサービスが導入される8月22日から。
 一方、申し込みを行なわなければ一般の継続割引となり、たえば9年の継続で割引率はわずか15%です。今後も継続して利用を考えている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょう。

http://www.nttdocomo.co.jp/charge/

 また、家族や会社など通話頻度の多い相手が決まっている場合は「ゆうゆうコール割引」が有利です。ゆうゆう割引は、月額180円が必要になりますが、あらかじめ頻度の多い相手先の電話番号を最大5件まで登録しておけば、相手先がドコモやWORLD CALLを利用した海外の場合で30%の割引に、他社の携帯電話や国内固定電話への通話は10%引きとなります。同じようなサービスはNTTドコモ以外の携帯電話会社にも揃っており、auやソフトバンクモバイルでも9月から基本料金を半額にするプランが登場します。

 ただし、ここで注意したいのが、いずれの割引も自主的に申し込みを行なった人だけが受けられるサービスとなっていることです。こうしたサービスを知らなかったり、申し込みの手間を惜しんだりすると、料金が割り引かれません。最近は、携帯電話に限らず同業者間の競争が激しくなっていますので、料金プランにも正規の料金以外に割引料金プランなど幾通りかのパターンが設定されているケースが増えてきました。飛行機の割引航空チケットなども、そのいい例です。

 つまり「知っている人だけが得をする」時代となっているのです。

 こうしたサービスは各社のホームページや、請求書に同封される冊子などに詳しく紹介されていますが、隅々まで目を通す人は少ないかもしれません。でも、お財布に直結する割引、使い勝手が向上するサービスは、どんどん新しく登場していますので、「知らなくて損をした」とならないよう、たまには確認してみることをオススメします。

 その一方で、番号は変えずに携帯電話会社を移行できるナンバーポータビリティー制度の導入以降「キャリアを変更したら使い勝手が悪くなった」というような声が意外と多いことも事実です。なかには「今までの電話会社なら自宅で不自由なく利用できたのに、キャリアを替えてからは圏外でまったく利用できなくなってしまった」という例まで……。これでは、せっかく、利用料金が安くなっても、喜べません。特に継続利用などを条件に割引サービスを受ける場合は、のちのちの事まで考えて、慎重に検討していただきたいと思います。


2007/07/24

日々雑感
物価が上昇している?

 この6月に日銀が行なった「生活意識に関するアンケート」によると、半数以上の人が「1年前と比べて物価は上がった」と感じているという結果となりました。確かに私自信も、物価は上昇し始めたと感じていますが、皆さんはいかがでしょう?

 まず、ガソリン代が上がりました。都内ではレギュラーガソリンが1リットルあたり140円、ハイオクは150円が今の相場のようです。さらに来月から元売価格を引き上げるとの発表もされていますので、8月はさらにガソリン価格が上昇するといわれています。帰省や観光でマイカーの利用を検討されている方は、早めにガソリンを入れておいた方がいいかもしれません。

 円安の影響も物価の上昇に追い討ちをかけています。最近、ヨーロッパに旅行した友人は、イギリスの地下鉄初乗り運賃が日本円で約1000円、イタリアではパスタランチが3000円もしたといっていましたが、円安は、こうした海外旅行での価格の上昇に影響するわけではありません。資源の少ない日本は、食材からエネルギーまで、あらゆるモノを輸入に頼っているからです。すでに、乳製品やワインなどが値上がりしていますが、今後は公共交通機関などの運賃にも影響が出るのではないでしょうか。このように、円安になれば当然、輸入価格は上昇しますので、国内の物価は上昇せざるを得ません。

 バブル崩壊後、長い間モノを作っても売れないからさらに安く売る「デフレ」時代が続きましたが、ここへ来て物価が上昇する「インフレ」の時代に転換しそうな気配が濃厚になってきました。

 こんな話をすると「でも、うちのお給料は上がってないのに」という声も聞こえてきそうですが、その理由は、今回の物価上昇が国内の景気よりも外部要因(原油高・円安)に基づくことが1つ。そして、もう1つには、バブル崩壊後、企業は収益が悪化しても人件費のリストラを最後の手段とした経緯があります。当時、大半の企業は耐えて耐えて、最後に「ごめんさない」といって、給与や人材のリストラに着手しました。そのため、今回はできるだけ本業の儲けを優先し、給与アップは後回しという傾向も見られるようです。

 だからといって、がっかりするのは早急かもしれません。

 消費者アンケートが「物価は上昇している」と答えている一方、実は消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、5月まで4カ月連続の下落という調査結果が出ています。

 庶民感覚で物価は上昇と感じているのに、実際の販売価格は下落しているのです。これは、冷蔵庫やテレビ、パソコンなどの電化製品が大きく下落し(教養娯楽用耐久財はマイナス18%)、他の値上がり分を飲み込んでしまっていることが要因だといわれています。こうした耐久消費財は、食料や生活品のように頻繁に購入するものではありませんが、高額商品が安く買えるようになったことは、家計にとってプラス材料です。
 また、最近はインターネット通販、比較サイトなどを利用して「いいものを安く買う」手段も格段に増えています。

 物価の上昇分を計画的なショッピングで補い、インフレに負けない家計運営を心掛けていきたいものですね。


2007/07/19

日々雑感
不動産PERとは?

 都心部を中心に、一部の地域では不動産価格が上昇に転じています。先日、千葉で住宅を購入した友人が「1年前なら1割は安く買えたのに……」と、悔やんでいました。不動産価格は、先読みが難しいですから、こんな経験も仕方がないことかもしれません。今後は、さらなる金利上昇の噂も聞こえ始めてきました。その前に、そろそろマイホームをとお考えの方も少なくないでしょう。

 ただ、人生最大の買い物といわれるマイホームの購入計画ですから、慎重にならざるを得ません。たとえば「新築70平米・日当たり良好・駅近・環境抜群」。こんな条件で3千万円のマンションがあったとします。さて、このマンションは割安でしょうか、それとも割高でしょうか?

 もちろん、都心ではあり得ない割安物件ですが、駅といっても一日に数本しか電車が止まらない辺鄙な場所なら、いくら他の条件が良くても割高物件でしょう。このように、立地条件がマンションをはじめとした不動産価格には大きく影響します。そこで、不動産価格を判断する目安として取り入れたいのが、「不動産PER」という考え方です(マンションの場合は「マンションPER」ともいいます)。

 不動産PERとは、株式投資の際に、株価の目安となるPER(株価収益率)を基にした考え方で、簡単にいえば、賃貸で貸し出した場合、何年で購入価格を回収できるかを計算するものです。

 計算式は

不動産(マンション)PER=物件価格÷物件の年間家賃

 この計算で割り出した「値」が低ければ収益性の高い物件と判断され、「値」が高くなれば収益性の低い物件と判断することになります。

 たとえば、3千万円のマンションの購入を検討した場合、まず、近隣の同程度のマンションを参考に、自分が購入するマンションの家賃相場を確認します。その結果、1カ月12万5千円で貸せる部屋だとします。この場合、年間の家賃収入は150万円ですから、3千万円÷150万円で、不動産PERは20倍となります。つまり、20年で購入価格を回収できる計算です。
 同様に、家賃が11万円しかとれないマンションなら不動産PERは22.7倍となり、元手を回収するのに22年以上かかる計算になります。
 マンションを貸し出した場合の賃料は、近くの不動産屋さんや、インターネットの賃貸情報サイトを活用しても調べることができます。

 これを駅別に定期的に調べて公表している東京カンテイによると、都内駅別新築マンションのPERで、最も収益性が高いのが西武多摩川線の是政駅で、平均PERは13.85倍。2位は京王相模原線の京王よみうりランド駅で、平均PERは14.22倍だそうです。対象となった駅の平均PERは、21.33倍。もちろん、駅や沿線によって、ブランド力の高い地域は空室が出にくいなどのメリットもありますので、不動産PERだけで一概に物件の価値を判断することはできません。そのため、マイホームのPERを判断する場合は、同じ地域での他物件との比較が重要となります。
 生涯の住まいとして購入したマイホームも、転勤などを理由に一時的に貸し出すことも想定されます。こんな時も、不動産PERの低い物件なら、きっと月々の住宅ローン以上の賃料が見込めるはずです。

 これから、マイホーム購入を検討している皆様、ぜひ、不動産PERという考え方を不動産選びの基準に取り入れてみてはいかがでしょう。


 ロバート・キヨサキ氏の著書「金持ち父さん、貧乏父さん」で有名になった「ファイナンシャル・リテラシー(financial literacy)」という言葉があります。これは、お金に対する知識や能力のこと。
 たとえば、3千万円の住宅ローンを30年ローンで組む場合、年間4%(返済総額約5156万円)の金利でお金を借りるのと、3%(約4553万円)でお金を借りるのでは返済額の総額に600万円以上もの差が出てしまいます。また、たとえ4%のローンを組んだ場合でも、5年間で100万円を貯めて繰り上げ返済を行えば返済額は200万円も縮小されます。このような、ちょっとした知識を身につけ、ちょっとした努力と工夫の積み重ねで将来的に大きな差となり、知識と努力と工夫が積もり積もれば、それは「余裕」につながるのです。これがファイナンシャル・リテラシーの力です。

 このファイナンシャル・リテラシーとあわせて身につけたいのが、「セルフ・コントロール」です。セルフ・コントロールとは、私が尊敬するイタリア在住の女性デザイナーから、最近教えられた言葉。「勉強しようと思っていたら友人から食事のお誘い」とか「タクシーを利用すれば、朝はもう少しゆっくり眠れる」など、私たちの生活には誘惑や欲望がたくさん潜んでいます。どちらも小さな欲望かもしれませんが、彼女はなるべく「自分の欲望に反する選択をすることにしている」と言います。選択肢は「欲望」対「理性」……。理性をとることがセルフ・コントロールにつながるとも。

 日々の小さな欲望に打ち勝つ強い心を養えば、大きな欲望(夢)にも一歩近づけるというもの。30歳を過ぎて、単身イタリアに乗り込み、デザイナーという夢を実現させた彼女らしい言葉です。

 お金の使い方にもセルフ・コントロールはとても重要です。
 投資の世界でも自分の予想に反して大きく下落してしまった場合は「損切り」することも、時には必要。「それでも、これは値が上がる」と確信を持つならば、値下がりしても我慢するセルフ・コントロールが必要。「こんなに下がるとは思わなかった」と後悔するのなら、早い段階で損切りすることもセルフ・コントロールです。無駄使いをセーブすることも然り。
 皆さんの周りにも同じくらいの収入のはずなのに、なぜか人よりもちょっとリッチな生活を送っているという人がいるはずです。もしかしたら、その人は投資や外貨の運用で金銭的な余裕を生み出す方法をすでに知っているのかもしれません。投資のようなことは不安だという方ならば、まずは、少しでも有利な貯蓄手段を検討したり、セルフ・コントロールでお金の使い方を工夫したりするだけでも家計収支は大きく改善されるはずです。

 皆様も、ファイナンシャル・リテラシーとセルフ・コントロールを身につけ、生活に潤いを与えてみませんか?


 平成17年に成立し昨年から施行された新会社法により、会社を合併する際の手法として「三角合併」ができるようになりました。三角合併をひと言で説明すると、企業が合併する際、消滅会社の株主に対し、対価として存続会社の株式ではなく親会社の株式を交付して合併を行なうことが可能となったというものです。

 もう少し具体的に解説すると…。

 A社がB社を買収しようとした場合、これまではA社の株式をB社の株主へ対価として支払ってきました。ところが、新しい会社法では現金やそれに変わる対価での買収が可能となります。たとえばA社の親会社C社の株式を、B社の株主に交付することで買収を完結させるようなことも可能となったのです。

aki070501.jpg

 この5月からは、いよいよ外国企業にも、こうした日本企業への三角合併が解禁となります。これにより、日本で上場していないC社が日本のB社を買収しようとした場合、日本に現地法人A社を設立してB社を買収することも可能となります。この場合、日本のB社は消滅しA社が存続企業となりますので、B社の株主は消滅したB社株式の対価としてC社の株式を受け取ることになります。

 少し複雑ですが、時価総額(株価×発行済株式数)が大きい企業は、自社の株式を利用して時価総額の小さい企業を株式交換で買収できてしまうということ。三角合併を用いて、投資ファンドに企業が買収された場合、企業価値を高めて数年で他社へ売却されることもあります。手法は少し異なりましたが、7年前に米国のリップルウッド・ホールディングスが、経営破たんして8兆円もの公的資金が投じられた日本長期信用銀行をわずか10億円で買収。数年後に再上場させ2000億円以上の上場益を手にしています。同一業種であれば、日本企業の技術力を買うためのM&Aも視野に入れていることでしょう。

 日本企業に魅力を感じているのは欧米企業だけではありません。

 現在、日本で一番大きい時価総額を誇るのはトヨタ自動車で、2位以降には東京三菱UFJ、三井住友FGなどの銀行が並びます。しかし、たとえばこの2行の時価総額を足しても、中国の工商銀行の時価総額には太刀打ちできません。セブン&アイ・ホールディングスは米国ウォールマート時価総額の25%、高島屋はわずか2%超という具合ですから、外資にとって日本はM&Aの宝庫! もちろん、M&Aには株主にも企業側にもメリットは多々あります。そして、これだけグローバルな世の中で企業が生き残るためには、国の壁を乗り越えた提携も必要でしょう。
 ただ、自分の勤め先が…と考えると不安が残ることも事実です。今のところ、外資との三角持合は税金面での整備が整っていないため本格的な合併は足ふみ状態となりそうですが、もはや、国内企業間でのM&Aくらいで怖気づいてはいられませんね。


2007/04/10

日々雑感
まだATMで手数料払ってる?

 ここ最近、大手都市銀行では手数料無料で利用できるATMを拡充しています。

 コンビニエンスストアにATMが設置されるようになり、24時間入出金が可能となったと同時に、入出金のたびに平日の日中は105円、夜間など時間外は210円の手数料が徴収されるのが一般的となりました。ところが、銀行間でこの手数料を無料化する動きが、今、進んでいます。

 これまでも、提携するコンビニのATMをきちんと選択すれば入手金にかかる手数料を無料にすることは可能でした。ところが、うっかり別のコンビニでお金を引き出そうとすると平日の日中なのにも関わらず手数料がかかってしまった…。こんな経験をお持ちの方も少なくないでしょう。そう、銀行のキャッシュカードは、利用するATMによって手数料体系が異なっているのです。

 ところが、金融機関も店舗の縮小や合併といった企業努力で収益体勢も大きく改善されました。政府への借金も返済が終わり、ここへ来てやっと私たち預金者へのサービス向上に目を向ける余裕が出来たというところでしょう。大手都市銀行は自行に設置されたATMとほぼ同様の手数料体系で利用できるコンビニATMを拡大! さらに、インタネットバンキングの申し込みなど、ちょっとした工夫で時間外手数料までも無料に…。

 たとえば、三井住友銀行の場合、普通預金口座をそのまま「One's plus」口座へ移行するだけで、ほとんどすべてのATMで平日の入出金手数料が無料となります。また、通帳をWeb上で管理するWeb通帳に切り替えると、夜間や休日の入出金手数料や当行内の振り込み手数料も無料(電話オペレーターを利用しての振込は除く)です。自宅や職場、携帯電話からもアクセス可能なインターネットバンクは便利ですし、手数料も窓口を利用するよりずっとお得! さらに通帳を廃止してWebで管理できれば、盗難などの心配も必要なくなります。

 もちろん、他行でも同じような新口座を設け、これを利用する預金者にはATMや振込にかかる手数料の優遇という形でサービスを拡充しています。

 都市銀行の普通預金金利は0.2%にまで上昇したとはいえ、100万円を預け入れた場合の利息は年間2000円(実際、通帳に記帳されるのは税引きで1600円)です。100万円も預金をして年間1600円の利息しか得られないのですから、余分な手数料は少しでも節約したいものですね。


2007/02/13

日々雑感
竹中平蔵氏の講演で……

 先週末、大阪国際会議場で行なわれた資産運用フェスタに、私も講師の1人として参加させていただきました。第1部では、晴れて民間人となられた(ご本人が強調されていました)、元金融担当・経済財政政策担当大臣の竹中平蔵氏による日本経済と大臣時代の裏話など、興味深いお話を伺うことができ、出番待ちの緊張感も忘れ、私もつい真剣に聞き入ってしまいました。

 「実感が沸かない」と言われる今回の日本の好景気について竹中氏は、ゆるやかな景気回復という現段階で、家計に実感が沸かないのは当然とのこと。この言葉には私も同感でした。

 私も2001年から4年間、某ラジオ番組で家庭経済のお話をお茶の間にお伝えしてきましたが、当初は「デフレ」という言葉が世の中で流行し始めた時代でした。デフレはモノを作っても売れないから安くして売るため、価格破壊が起こり、スパイラル的に物価が下落する現象です。しかしデフレという言葉が生まれた初期段階では、専門家が警笛をならしても、家計はデフレ経済を歓迎したものです。これは物価が安くなっているにも関わらず、所得に変化は見られなかったためです。
 この当時は、物価下落や収益の悪化分を企業が負担し、労働者への影響を最低限に留めていたのです。当時と逆の現象が、今、消費の改善を伴わない好景気に現れているのでしょう。とは言っても、(竹中氏のお話にもありましたが)企業が支払う賞与や給与は、ここ数年、上昇傾向にあります。世界を見渡せば2桁台の高い成長率を誇る国々が台頭してきており、鉄鋼業や自動車産業など、日本を代表する輸出産業は順調に増益率を伸ばしています。まだまだ日本経済は成長できる境遇にあると言っても過言ではないでしょう。

 ただ、いざなぎ景気以来といわれる今回の日本の好景気を、経済成長率が2%程度に留まり、成熟期と思われていた12年前の米国経済と良く似ているとたとえたことには、一抹の不安も残りました…。
 この十数年間、米国はITなど世の主流となる中核分野に大きく関与してきましたが、それも経済や政治で米国や米国企業が有利になるためのイニシアチブを発揮してきた賜物。確かに、現段階でも日本の技術は世界に誇れる水準ですが、ITでも携帯電話でも、中核分野での「世界標準」を逃しています。自動車や家電の分野でも、日本製に負けるなとばかりに、アジア諸国でも急激に産業が伸びてきています。独裁的なイニシアチブを発揮する必要はないかもしれませんが、日本の経済界にも世界標準を勝ち取れるような力強さを期待したいものです。



アスキービジネスについて

アスキービジネス

アスキービジネスはWebサイト「アスキービジネス オンライン」と雑誌「アスキービジネス ITスキルアップ」の両面から企業のIT担当者を支援するサービスです。

トップ | ビジネス | 情報システム | Web Professional | デジタル | Mac/iPod | ゲーム・ホビー | 自作PC | 今日の必読記事

価格比較 | microsoft | キャリア | SaaS | PanaSpot | 富士通 | DELL | 住まい情報局

EPSPN DIRECT | アキバ | ムービーフラッシュ | SpeedGun | デジタル用語辞典 | HTMLリファレンス | CSSリファレンス | 週アスストア

サイトポリシー  |  プライバシーポリシー  |  アスキー・メディアワークスについて  |  お問い合わせ