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ABO:ファイナンシャルプランナー山田章子のマネー相談室

ファイナンシャルプランナー 山田章子のマネー相談室

 10月1日より、日本郵政公社は民営化され、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が誕生します(窓口はいずれも郵便局)。そのため、基本的にこれまでの貯金や保険はゆうちょ銀行、かんぽ生命に引き継がれ、キャッシュカードや通帳なども継続して利用が可能となりますが、教育積立貯金など一部の貯金は廃止され、かわって自動車保険や変額保険の取り扱いが順次開始される予定となっています。

 生活者のためのサービスが削減されていることは少し残念ですが、民営化されて株式会社に生まれ変わるということは、営利目的の企業となり、利益を追求していくことが求められます。そのため、これまで以上に投資信託など手数料収入が期待できる金融商品が拡大されるなど、取扱商品やサービスは少しずつ変化していくことでしょう。
 郵便局の魅力は、全国津々浦々に点在し、同じサービスがどこでも受けられる点。今のところ、過疎地の局もこれまでどおり継続される予定ではありますが、取り扱い商品などには一部の店舗のみで販売されるなど格差も生まれそうです。また、今後の運営力によっては、局の統廃合が検討される可能性も否めません。

 この点では、従来の利用者もインターネットバンクを取り入れたり、口座の窓口となるATMを探しておくなどの対策が必要になりそうです。

 ところで、新しく誕生するゆうちょ銀行は、貯金残高は188兆円、総資産222兆円を誇る日本最大のマンモス銀行となります。一方、郵便局経由で取り扱われている投資信託は合計9本。その累計額は9471億円(7月末時点)にのぼり、年内には1兆円を越すと言われています。今後も、満期の貯金が投資信託へ流入し、貯金は減少し、投資信託の残高が増加することが想定されています。

 それを裏付けるようなデータが日銀より発表となりました。

 日本の家計における金融資産の残高は1555兆円3989億円で、前期から1.4%の増加となり過去最高を更新。3カ月で1.4%も家計の金融資産が増加しているということは、やはり投資へも積極的に資金が向かっていることの現われと言えるでしょう。
 内訳を確認すると、現金や預金残高は0.2%減少し50%に。投資信託や株式投資への配分が5%ずつへと増加していました。

 郵便局に限らず、預貯金から投資へと向かう流れは今後も加速すると考えられています。

 ところが「郵便局で扱う投資信託なら安心」というわけではありません。

 現在、郵便局で一番人気の投資信託は「野村世界6資産分散投信」で、郵便局経由の投資信託残高のおよそ半数をこのファンドが占めています。この投資信託は国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに分散投資するもので、一見、分散されている分だけ値下がりのリスクも限定的のように思われがちです。しかし、先日のサブプライムショックで一時は10%も下落する局面が見られました。海外の株式、債券、不動産への投資には為替の影響を受ける仕組みであったため、円高と株安でファンドの基準価格が大幅に減少したためです。

 家計の資産運用には攻めと守りが必要です。当然、株式投資や投資信託への投資など積極的な攻めも必要になりますが、リスクを知らずに気軽な気持ちで定期貯金の満期金を投資信託へ移動させてしまったとしたら……。とても恐ろしいことですよね。

 郵便局は民営化後も、身近な金融機関であることにかわりはありません。ただ、取り扱われている金融商品やサービスは、他の金融機関と同じです。金融商品を選ぶときは、いま一度、自分で考え、本当に自分の資産形成スタイルにあっているのかを再確認しましょう。

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