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ABO:ファイナンシャルプランナー山田章子のマネー相談室

ファイナンシャルプランナー 山田章子のマネー相談室

<前へ  |  2007年09月  | 


 10月1日より、日本郵政公社は民営化され、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が誕生します(窓口はいずれも郵便局)。そのため、基本的にこれまでの貯金や保険はゆうちょ銀行、かんぽ生命に引き継がれ、キャッシュカードや通帳なども継続して利用が可能となりますが、教育積立貯金など一部の貯金は廃止され、かわって自動車保険や変額保険の取り扱いが順次開始される予定となっています。

 生活者のためのサービスが削減されていることは少し残念ですが、民営化されて株式会社に生まれ変わるということは、営利目的の企業となり、利益を追求していくことが求められます。そのため、これまで以上に投資信託など手数料収入が期待できる金融商品が拡大されるなど、取扱商品やサービスは少しずつ変化していくことでしょう。
 郵便局の魅力は、全国津々浦々に点在し、同じサービスがどこでも受けられる点。今のところ、過疎地の局もこれまでどおり継続される予定ではありますが、取り扱い商品などには一部の店舗のみで販売されるなど格差も生まれそうです。また、今後の運営力によっては、局の統廃合が検討される可能性も否めません。

 この点では、従来の利用者もインターネットバンクを取り入れたり、口座の窓口となるATMを探しておくなどの対策が必要になりそうです。

 ところで、新しく誕生するゆうちょ銀行は、貯金残高は188兆円、総資産222兆円を誇る日本最大のマンモス銀行となります。一方、郵便局経由で取り扱われている投資信託は合計9本。その累計額は9471億円(7月末時点)にのぼり、年内には1兆円を越すと言われています。今後も、満期の貯金が投資信託へ流入し、貯金は減少し、投資信託の残高が増加することが想定されています。

 それを裏付けるようなデータが日銀より発表となりました。

 日本の家計における金融資産の残高は1555兆円3989億円で、前期から1.4%の増加となり過去最高を更新。3カ月で1.4%も家計の金融資産が増加しているということは、やはり投資へも積極的に資金が向かっていることの現われと言えるでしょう。
 内訳を確認すると、現金や預金残高は0.2%減少し50%に。投資信託や株式投資への配分が5%ずつへと増加していました。

 郵便局に限らず、預貯金から投資へと向かう流れは今後も加速すると考えられています。

 ところが「郵便局で扱う投資信託なら安心」というわけではありません。

 現在、郵便局で一番人気の投資信託は「野村世界6資産分散投信」で、郵便局経由の投資信託残高のおよそ半数をこのファンドが占めています。この投資信託は国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに分散投資するもので、一見、分散されている分だけ値下がりのリスクも限定的のように思われがちです。しかし、先日のサブプライムショックで一時は10%も下落する局面が見られました。海外の株式、債券、不動産への投資には為替の影響を受ける仕組みであったため、円高と株安でファンドの基準価格が大幅に減少したためです。

 家計の資産運用には攻めと守りが必要です。当然、株式投資や投資信託への投資など積極的な攻めも必要になりますが、リスクを知らずに気軽な気持ちで定期貯金の満期金を投資信託へ移動させてしまったとしたら……。とても恐ろしいことですよね。

 郵便局は民営化後も、身近な金融機関であることにかわりはありません。ただ、取り扱われている金融商品やサービスは、他の金融機関と同じです。金融商品を選ぶときは、いま一度、自分で考え、本当に自分の資産形成スタイルにあっているのかを再確認しましょう。


 5000万件にもおよぶ記載漏れが発覚した公的年金。不祥事が次々に発覚する社会保険庁や厚生労働省の実態。それらを監視する立場にあるはずの政治家までもが、保険料未納のオンパレード……。このような状況では、日本の公的年金制度が崩壊してしまうのではないか? だったら、保険料は払うだけ損なのか?

 今、国民皆年金制度の日本で、こんな噂がまことしやかにささやかれています。かといって、本当に保険料は支払わなくても大丈夫なのでしょうか? 年老いたときに、公的年金を受け取らなくても生活はできるのでしょうか?

 もちろん、十分な蓄えがあれば公的年金に頼る必要はないかもしれません。ただ、公的年金には年老いたときに受け取れる「老齢年金」のほかにも、障害を負った場合の「障害年金」、一家の大黒柱に万が一のことがあった場合、残された家族の生活を支える「遺族年金」など、さまざまな保障が備わっています。

 今回は、不祥事が騒がれているこの時期、公的年金についてお話しします。また、意外と公的年金の具体的な中身を知らない人も多いようなので、再確認の意味も込めて、ぜひ読んでみてください。

 まず大前提として、日本は「国民皆年金」の国ですから、20~60歳までの成人は学生であろうと無職であろうと年金制度に加入し、保険料を納めなければなりません。

 公的年金には、サラリーマンが加入する「厚生年金」、公務員や私立学校の教員らが加入する「共済年金」、そして自営業者やその妻、学生などが加入する「国民年金」の3つがあります。ただ、厚生年金や共済年金加入者は給与から保険料を差し引かれるため、保険料の支払いを個人の意思で免れることはできません。そのため未納の心配もないわけです。一方、国民年金保険料は、口座引き落としや振り込みなどの形で、保険料を自主的に支払う仕組みです。そのため、いわゆる「未納」の問題が発生してしまうのです。

 国民年金の保険料は20歳から40年間支払うことで、65歳から満額(現在は年間79万2100円)を受け取ることができます。途中で厚生年金や共済年金に加入していた場合は、ここにその分が上乗せされる仕組みです。また、すでにしばらく未納にしてしまった場合は、25年以上保険料を支払うことで最低納付期間を満たすことができ、支払った期間分の年金を受け取ることも可能です。もし、60歳までに「25年以上」の納付期間を満たしていない場合は、65歳まで保険料の支払い期間を引き延ばすこともできます。
 また、学生やフリーターなど、資金的な事情で保険料を納められない時期であれば、免除制度や猶予制度もあります。詳細は国民年金のホームページに掲載されていますので、確認のうえ、それらの活用を検討してみましょう。

 健康な人であっても、病気や事故という災難は、いつ襲ってくるかわかりません。このような場合も、免除制度や猶予制度の申請を行なっていれば、保険料を支払っていない期間であっても「障害年金」や「遺族年金」の対象となります。これで、万が一の事態にも公的年金制度が、あなたや、あなたの家族を支えてくれるはずです。遺族年金は年間79万2100円で子供1人に対して22万7900円の加算があります(3人目以降の子には7万5000円ずつ)。

 もちろん、これだけで生活を賄える金額ではありません。しかし、3つもの保障を兼ね備えた保険だと考えれば、毎月1万4000円の支払いも、決して割高ではないはずです。いざというときに受け取れる年金の額を把握していれば、民間で加入する保険の見直しも役立つでしょう。

 また、将来受け取る年金を充実させるためには、以前ご紹介しましたが、税金の控除を受けながら有利に貯蓄できる個人版401k制度や国民年金基金を利用する方法あります。

 国民年金でお悩みの皆様、もう一度、国民年金の魅力を再確認してみてはいかがでしょうか。


 米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の焦げ付き問題が、世界の株式・為替市場を震撼させています。今回は、サブプライムローンとは何か? どうして世界中が巻き込まれてしまっているのか? そして、近年欧米流に変化しはじめている日本の住宅ローン事情と合わせてご紹介していきたいと思います。

 まず、サブプライムローンを一言で説明すると、「一般の住宅ローン(プライムローン)に対し、低所得者など一般のローンを借りられない人を対象にした住宅ローン」のことです。

 今回問題となっているサブプライムローンをはじめ、最近は日本でもローンを債権化する傾向にあります。これが、米国の一部の住宅ローン問題が世界へ飛び火した1つの原因でもありました。通常は、銀行など金融機関が住宅ローンの資金を個別に貸してくれていると考えられていますが、それでは住宅購入希望者によって、金融機関が請け負うリスクは一定になりません。

「1千万円の年収がある人に3千万円のお金を貸すのと、600万円の年収の人に3千万円を貸すのでは、貸し倒れのリスクが異なるので、600万円の年収の人には高い利息をつけよう」

 こんなことがあっては困りますので、数多くのローンを集めて1つにまとめ、住宅金融支援機構がいったん引き受け、それを債権化して金融機関や企業など大口の投資家に一口1億円などの単位で振り分けます。こうすれば、不動産価格が下落している地方の銀行も不動産価格が上昇している大手銀行もリスクが分散されます。また、借り手も誰もが同じ条件で住宅ローンを申し込むことができるようになります。

 この仕組みは素晴らしいですよね。ところが……。

 プライムローンの債権化で成功した住宅ローン業者と投資家は、欲を出してしまったのでしょう。通常のプライムローンではお金を借りられない信用の低い人にも同じような仕組みでローンを作り、かわりに高い利息をつけました。これがサブプライムローンの誕生です。

 もともとサブプライムローンは一般のプライムローンに比べ、焦げ付きが多いのが特徴です。ただ、高い金利と不動産価格の上昇が、ある程度の焦げ付きをカバーできてしまっていました。価格が上昇していれば、担保として不動産を取り上げることで、業者も投資家も損をしない仕組みだったのです。
 不動産価格が上昇威力を増すと、このサブプライムローンの債権は人気を集めます。多くの債権をばら撒くためには、多くの低所得者にローンを組んでもらわなければなりません。そのため、審査基準も徐々に甘いものになってしまったと言います。

 ところが昨年末あたりから、右肩上がりに上昇を続けていた不動産価格に異変が起きます。上昇がストップしてしまい、下落を心配する新たな購入希望者は様子見状態。一部では下落もみえはじめています。日本のように「不動産バブル」がはじけたのか? その寸前なのか、それとも、踊り場の小休止なのか……? 大半の投資家は、不動産価格はしばらく下落に向かうと考えています。
 不動産の好景気が力強い米国の消費を後押ししていたため、不動産価格の下落は米国の消費低迷につながることも考えられます。

 このようにして生まれた「高い利息の債権」を世界中の投資家が購入し、なおかつ米国の景気悪化を懸念する声があがったため、米国以外の金融機関にも衝撃が走ったのです。

 サブプライムローンには、もう1つの危険が最初から見え隠れしていました。利息は2段階方式で最初はプライムローンと同じ6%程度の金利ですが、数年後からは10%前後にまで金利が跳ね上がる仕組みだったのです。サブプライムローンを利用した人の中には英語を得意としない南米などからの移住者も多かったといいますから、3割以上も返済額が上昇して、はじめてローンの仕組みを理解した人もいたかもしれません。

 実は、日本でも2段階方式の住宅ローンで問題になった過去があります。「公的」のイメージの強い住宅金融公庫も、以前は2段階方式の金利を設け、10年後からは金利が引き上げられ、それに伴い返済額も上昇する仕組みとなっていたのです。ただ、これは米国の事情とは異なり、当時は物価も給与も徐々に上昇して当たり前の時代であったため、10年も経てばローンの金利上昇分以上にお給料もアップしていた……という時代背景の中で生まれた優れた仕組みでした。

 ただ、日本でもバブルがはじけ、不動産価格は滑るように下落。デフレと言われる時代が訪れ、お給料は上昇するどころか下落しはじめます。リストラなどで残業費を削られ、なかには職を失う人も出てきました。その一方で、マイホームを購入するために借りたローンの金利が上昇する……。
 この頃から、2段階方式の住宅ローンは危険だということになり、現在は固定金利を選択する「ずっと同じ金利」が当たり前の時代となったのです。

 住宅金融公庫が新しく生まれ変わり「住宅金融支援機構」となり、現在は、民間の銀行などを通じて「フラット35」という住宅ローンを扱っています。これは、最長35年返済で金利はずっとフラット(固定型)なのが特徴。しかも3%程度と、固定金利型にしてはとても低い水準です。

 欧米の住宅事情と比較しても、今の日本は不動産価格が底を打ったばかりで、金利も低水準に留まっています。また、長引く不況のおかげでローンの仕組みもかなり改善され、これからマイホームの購入を検討する利用者には恵まれた環境といえます。

 民間の金融機関は、各行独自の住宅ローンとフラット35の両方を扱っているのが一般的です。金利の仕組みや手数料などを含め、じっくり検討して、ご自身の返済プランにあった住宅ローンを検討していただきたいと思います。


 お金に困ったとき、カードローンや消費者金融などを利用するのは簡単ですが、金利は年15~18%程度というのが一般的です。

 たとえば、年利18%のカードローンで50万円を借り、2年(24カ月)で返済する場合の返済総額は、59万9089円となり、利息分だけでも9万9000円以上の出費になってしまいます。でも、3%なら返済総額は51万5774円となり、利息分は1万5774円に減少します。

 この差額は、なんと8万円以上!

 返済時の負担を考えると、少し手間をかけても有利な金利でお金を調達する手段を再検討してみたいものです。

 お子様の教育費や自動車の購入など使途が決まっている資金であれば、銀行などの目的別融資を検討してみるのも1つの方法です。目的別融資はお金の使い道が限定されますが、いずれの場合も3~5%程度と比較的低い金利で融資を受けることができます。

 また、生命保険や保有する株券や債券などの有価証券を担保に融資を受けるという方法も……。

 まずは、生命保険の場合で見てみましょう。

 満期時に一定額を受け取れる保険や解約返戻金を受け取れる保険契約には「契約者貸付制度」が付帯されており、解約返戻金の5~9割程度の範囲で貸付を受けることができます。貸付額や金利は契約時期や保険会社によって異なりますが、無担保ローンよりはずっと低利。もちろん、借りたお金を返さなければ保険契約は失効してしまいますが、借入期間中も保険契約は継続されますので、万が一の時には、きちんと保険金を受け取ることもできます。

 同様に、証券会社でも株券などを預けている顧客向けに「証券担保ローン」の取り扱いを拡充しています。こちらの借り入れ金利は現在4%台。担保となった証券でも、配当や優待の権利は受け取ることができます。
 ただ、返済ができない場合は担保となる保険や証券が失効してしまいます。また、変動金利型のため、市場金利に応じて今後も利率が変動してしまうという難点もあります。とはいっても、低金利で資金を用立てられるうえ、使途を明かしたり、年収などの審査を受けたりする必要がないのが魅力です。

 とはいっても、お金を借りるときは、まず「総返済額はいくらになるのか?」「月々の返済はどのくらいになるのか?」などを考え、綿密に返済手段を計画しておくことが大事です。これを忘れないようにしましょう。



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