ABO:ファイナンシャルプランナー山田章子のマネー相談室

ファイナンシャルプランナー 山田章子のマネー相談室

2007/07/19

日々雑感
不動産PERとは?

 都心部を中心に、一部の地域では不動産価格が上昇に転じています。先日、千葉で住宅を購入した友人が「1年前なら1割は安く買えたのに……」と、悔やんでいました。不動産価格は、先読みが難しいですから、こんな経験も仕方がないことかもしれません。今後は、さらなる金利上昇の噂も聞こえ始めてきました。その前に、そろそろマイホームをとお考えの方も少なくないでしょう。

 ただ、人生最大の買い物といわれるマイホームの購入計画ですから、慎重にならざるを得ません。たとえば「新築70平米・日当たり良好・駅近・環境抜群」。こんな条件で3千万円のマンションがあったとします。さて、このマンションは割安でしょうか、それとも割高でしょうか?

 もちろん、都心ではあり得ない割安物件ですが、駅といっても一日に数本しか電車が止まらない辺鄙な場所なら、いくら他の条件が良くても割高物件でしょう。このように、立地条件がマンションをはじめとした不動産価格には大きく影響します。そこで、不動産価格を判断する目安として取り入れたいのが、「不動産PER」という考え方です(マンションの場合は「マンションPER」ともいいます)。

 不動産PERとは、株式投資の際に、株価の目安となるPER(株価収益率)を基にした考え方で、簡単にいえば、賃貸で貸し出した場合、何年で購入価格を回収できるかを計算するものです。

 計算式は

不動産(マンション)PER=物件価格÷物件の年間家賃

 この計算で割り出した「値」が低ければ収益性の高い物件と判断され、「値」が高くなれば収益性の低い物件と判断することになります。

 たとえば、3千万円のマンションの購入を検討した場合、まず、近隣の同程度のマンションを参考に、自分が購入するマンションの家賃相場を確認します。その結果、1カ月12万5千円で貸せる部屋だとします。この場合、年間の家賃収入は150万円ですから、3千万円÷150万円で、不動産PERは20倍となります。つまり、20年で購入価格を回収できる計算です。
 同様に、家賃が11万円しかとれないマンションなら不動産PERは22.7倍となり、元手を回収するのに22年以上かかる計算になります。
 マンションを貸し出した場合の賃料は、近くの不動産屋さんや、インターネットの賃貸情報サイトを活用しても調べることができます。

 これを駅別に定期的に調べて公表している東京カンテイによると、都内駅別新築マンションのPERで、最も収益性が高いのが西武多摩川線の是政駅で、平均PERは13.85倍。2位は京王相模原線の京王よみうりランド駅で、平均PERは14.22倍だそうです。対象となった駅の平均PERは、21.33倍。もちろん、駅や沿線によって、ブランド力の高い地域は空室が出にくいなどのメリットもありますので、不動産PERだけで一概に物件の価値を判断することはできません。そのため、マイホームのPERを判断する場合は、同じ地域での他物件との比較が重要となります。
 生涯の住まいとして購入したマイホームも、転勤などを理由に一時的に貸し出すことも想定されます。こんな時も、不動産PERの低い物件なら、きっと月々の住宅ローン以上の賃料が見込めるはずです。

 これから、マイホーム購入を検討している皆様、ぜひ、不動産PERという考え方を不動産選びの基準に取り入れてみてはいかがでしょう。

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