2007/07/31
年金
401k(確定拠出年金)を再確認しよう!
記載漏れなどに端を発した年金問題が影響し、先日の参議院選挙は与野党のすさまじい逆転劇が繰り広げられました。これからはじまる臨時国会の行方が気になるところです。
いずれにしても、年金問題は今日明日に片付く問題ではありません。記載漏れはもちろんのこと、そんな心配の無い方も自分が受け取れるであろう年金額を想定しておき、足りない部分はどんな方法で補えば良いのか再確認しておきたいものです。
ところで、基礎年金の上積み部分にあたる確定拠出年金(401k)を導入する企業が増えてきました。確定拠出年金には自営業者や会社に厚生年金制度のない個人が加入する個人型と、企業が厚生年金の替わりに導入する企業型がありますが、今回は主に企業型に注目して解説しましょう。
企業型の確定拠出年金とは、企業が導入する「加入者本人が年金資金の運用手段を選択する」制度。企業が用意した運用手段から、自分で運用先を選択し、時にはいくつかの金融商品に分散しながら将来の年金資金を育みます。
一方、従来の企業年金や退職金は、給付金をあらかじめ約束した「確定給付型」でした。確定拠出年金の想定利回りは企業によって異なりますが、およそ2.26%程度というのが企業年金連合会の試算。現在の金利水準を考慮すると、とても預貯金だけで太刀打ちできる利回りではありません。企業年金や退職金の運用は、通常、預金だけではなく、株式や債券などへの投資も含まれているため、2%超の利回りを確保できるのです。
ところが、401k加入者の大部分の資金は、その運用手段を預貯金と同水準の元本確保型に集中させているといいます。元本割れを恐れてとりあえず「元本確保型」を選んだ方もいるでしょう。また、自分で選べずにほうっておいたため、自動的に「デフォルトファンド(通常は定期預金など元本確保型の金融商品が該当)」に振り向けられているケースも目立つそうです。
確定拠出年金は、給付前に解約して現金化することはできませんが、普通の投資信託よりも低いコストで金融商品を定額ずつ購入できるといったメリットがあります。もちろん、運用手段を途中で変更することも可能。この場合の分配金や利息も元本に加算されて運用されますので、運用期間中は課税を免除されるといった特徴もあります。
「元本を減らさない」ことだけに気をとられていては、確定給付型年金の人たちよりも、ずっと少ない年金・退職金しか受け取ることができません。もちろん、支払った「元本」が減ることは大きなリスクであり、脅威かもしれませんが、今の金利水準なら、支払った元本に十数万円程度の利息がついて「これが、あなたの年金です」では、さらにショックのはずです。
現在、40歳の方ならば年金の運用は今後20年にもおよびます。家計の資金運用は、定期預金オンリーという方こそ、税制面や手数料でメリットが豊富な確定拠出年金401kを利用して、リスク型金融商品とも向き合うことをぜひ、検討していただきたいと思います。
元本確保型には、「増えない」というリスクが潜んでいることを再確認していただきたいものです。
2007/07/24
日々雑感
物価が上昇している?
この6月に日銀が行なった「生活意識に関するアンケート」によると、半数以上の人が「1年前と比べて物価は上がった」と感じているという結果となりました。確かに私自信も、物価は上昇し始めたと感じていますが、皆さんはいかがでしょう?
まず、ガソリン代が上がりました。都内ではレギュラーガソリンが1リットルあたり140円、ハイオクは150円が今の相場のようです。さらに来月から元売価格を引き上げるとの発表もされていますので、8月はさらにガソリン価格が上昇するといわれています。帰省や観光でマイカーの利用を検討されている方は、早めにガソリンを入れておいた方がいいかもしれません。
円安の影響も物価の上昇に追い討ちをかけています。最近、ヨーロッパに旅行した友人は、イギリスの地下鉄初乗り運賃が日本円で約1000円、イタリアではパスタランチが3000円もしたといっていましたが、円安は、こうした海外旅行での価格の上昇に影響するわけではありません。資源の少ない日本は、食材からエネルギーまで、あらゆるモノを輸入に頼っているからです。すでに、乳製品やワインなどが値上がりしていますが、今後は公共交通機関などの運賃にも影響が出るのではないでしょうか。このように、円安になれば当然、輸入価格は上昇しますので、国内の物価は上昇せざるを得ません。
バブル崩壊後、長い間モノを作っても売れないからさらに安く売る「デフレ」時代が続きましたが、ここへ来て物価が上昇する「インフレ」の時代に転換しそうな気配が濃厚になってきました。
こんな話をすると「でも、うちのお給料は上がってないのに」という声も聞こえてきそうですが、その理由は、今回の物価上昇が国内の景気よりも外部要因(原油高・円安)に基づくことが1つ。そして、もう1つには、バブル崩壊後、企業は収益が悪化しても人件費のリストラを最後の手段とした経緯があります。当時、大半の企業は耐えて耐えて、最後に「ごめんさない」といって、給与や人材のリストラに着手しました。そのため、今回はできるだけ本業の儲けを優先し、給与アップは後回しという傾向も見られるようです。
だからといって、がっかりするのは早急かもしれません。
消費者アンケートが「物価は上昇している」と答えている一方、実は消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、5月まで4カ月連続の下落という調査結果が出ています。
庶民感覚で物価は上昇と感じているのに、実際の販売価格は下落しているのです。これは、冷蔵庫やテレビ、パソコンなどの電化製品が大きく下落し(教養娯楽用耐久財はマイナス18%)、他の値上がり分を飲み込んでしまっていることが要因だといわれています。こうした耐久消費財は、食料や生活品のように頻繁に購入するものではありませんが、高額商品が安く買えるようになったことは、家計にとってプラス材料です。
また、最近はインターネット通販、比較サイトなどを利用して「いいものを安く買う」手段も格段に増えています。
物価の上昇分を計画的なショッピングで補い、インフレに負けない家計運営を心掛けていきたいものですね。
2007/07/19
日々雑感
不動産PERとは?
都心部を中心に、一部の地域では不動産価格が上昇に転じています。先日、千葉で住宅を購入した友人が「1年前なら1割は安く買えたのに……」と、悔やんでいました。不動産価格は、先読みが難しいですから、こんな経験も仕方がないことかもしれません。今後は、さらなる金利上昇の噂も聞こえ始めてきました。その前に、そろそろマイホームをとお考えの方も少なくないでしょう。
ただ、人生最大の買い物といわれるマイホームの購入計画ですから、慎重にならざるを得ません。たとえば「新築70平米・日当たり良好・駅近・環境抜群」。こんな条件で3千万円のマンションがあったとします。さて、このマンションは割安でしょうか、それとも割高でしょうか?
もちろん、都心ではあり得ない割安物件ですが、駅といっても一日に数本しか電車が止まらない辺鄙な場所なら、いくら他の条件が良くても割高物件でしょう。このように、立地条件がマンションをはじめとした不動産価格には大きく影響します。そこで、不動産価格を判断する目安として取り入れたいのが、「不動産PER」という考え方です(マンションの場合は「マンションPER」ともいいます)。
不動産PERとは、株式投資の際に、株価の目安となるPER(株価収益率)を基にした考え方で、簡単にいえば、賃貸で貸し出した場合、何年で購入価格を回収できるかを計算するものです。
計算式は
不動産(マンション)PER=物件価格÷物件の年間家賃
この計算で割り出した「値」が低ければ収益性の高い物件と判断され、「値」が高くなれば収益性の低い物件と判断することになります。
たとえば、3千万円のマンションの購入を検討した場合、まず、近隣の同程度のマンションを参考に、自分が購入するマンションの家賃相場を確認します。その結果、1カ月12万5千円で貸せる部屋だとします。この場合、年間の家賃収入は150万円ですから、3千万円÷150万円で、不動産PERは20倍となります。つまり、20年で購入価格を回収できる計算です。
同様に、家賃が11万円しかとれないマンションなら不動産PERは22.7倍となり、元手を回収するのに22年以上かかる計算になります。
マンションを貸し出した場合の賃料は、近くの不動産屋さんや、インターネットの賃貸情報サイトを活用しても調べることができます。
これを駅別に定期的に調べて公表している東京カンテイによると、都内駅別新築マンションのPERで、最も収益性が高いのが西武多摩川線の是政駅で、平均PERは13.85倍。2位は京王相模原線の京王よみうりランド駅で、平均PERは14.22倍だそうです。対象となった駅の平均PERは、21.33倍。もちろん、駅や沿線によって、ブランド力の高い地域は空室が出にくいなどのメリットもありますので、不動産PERだけで一概に物件の価値を判断することはできません。そのため、マイホームのPERを判断する場合は、同じ地域での他物件との比較が重要となります。
生涯の住まいとして購入したマイホームも、転勤などを理由に一時的に貸し出すことも想定されます。こんな時も、不動産PERの低い物件なら、きっと月々の住宅ローン以上の賃料が見込めるはずです。
これから、マイホーム購入を検討している皆様、ぜひ、不動産PERという考え方を不動産選びの基準に取り入れてみてはいかがでしょう。
2007/07/11
投資
銘柄選びは生活の中に!
現在、日経平均株価は2月につけた1万8300円という年初来高値を目前にして強気な相場展開が続いています。これを機に、ボーナスで株式投資を始めてみたいという声が、一層高まっています。中には、証券口座は開設したものの、銘柄選びに躊躇して、なかなか最初の一歩を踏み出せないという方も多いようで、私のところにも相談したいというお話が増えてきました。今回は銘柄選びのヒケツを探ってみましょう。
ジョインベスト証券の調べによると、昨年1年間、株式投資で得た収益は男性が18万円で女性が50万円! 女性が男性より2倍以上もの利益を確保したということです。
これを目にして、私自身が女性であるひいき目もあるのでしょうが、正直なところ「なるほど!」という感想を持ちました。昨年は個人投資家に人気のIT関連銘柄や新興市場に上場する企業の株価が大きく下落し、上昇した銘柄の多くは任天堂やトヨタ自動車、資生堂といった、比較的知名度の高い大企業が中心でした。こうした傾向からも、子供の流行や身近な愛用品など、生活の中から銘柄を選択する傾向にある女性に有利な相場だったような気がします。
3人のお子さんを持つ私の友人は、2005年の12月に「任天堂のゲーム機を購入したいのだけれど、どこにも売っていない」と、お子さんのクリスマスプレゼント探しに格闘していました。インターネット通販では、すでにプレミアム価格で売り出されているとのこと……。「こんなに売れているのなら、ゲーム機を購入する前に任天堂の株式を購入してみようかしら?」と、そんな冗談を言い合った記憶があります。ちなみに、当時の同社の株価は1万4000円程度でした。
それから数カ月が過ぎ、春休みに彼女の家に遊びにいくと、3人の子供たちが1台のゲーム機を争って使いまわしている姿を目撃しました。それで思い出して同社の株価を再度確認してみると、1万7000円台にまで上昇しているではありませんか! 思わず、「あの時、買っておけば……」と声をあわせてしまったものです。次に、夏休みに彼女の自宅を訪ねると、今度は3人の子供が同じゲーム機を色違いで1台ずつ持っているので驚きました。節約家の彼女に「ずいぶん、奮発したわね」と、声をかけると「それがね……」と、再び携帯電話を持ち出し、任天堂の株価チャートを開きます。今度は2万円台にまで上昇していました。
今や小学生の子供は、1人1台ずつゲーム機を持参し、ゲームをしながら友人とコミュニケーションをはかる時代。中学生になると、英単語を覚えるツールとしても利用している現実を知り、彼女はやむを得なく1人に1台を買い与えると同時に、同社の株式も購入することにしたのだとか。この時点でも、ゲーム機の代金は株の値上がり益で十分に賄えていましたが、さらにあれから1年、今日現在、任天堂の株価は4万9800円にまで上昇しています。
こうした例でもわかるように、誰もが欲しいと思うもの、使いたいと思うサービスを提供する企業は、株式投資の対象としても注目が集まります。「人気があるから企業の業績がよくなった」というような、後付のニュースよりも、目で見て使ってみた実感、これが人よりも先に得られる情報なのです。
もちろん、子供がいなくても、生活スタイルが違っていても、その人なりに精通した分野は誰にでもあるはずです。
女性と男性の利益を公表したジョインベスト証券からのレポートを確認しても、この傾向は鮮明です。男性はインターネットニュースを主要参考情報として、銘柄選びに取り入れているのに対し、女性は商品・サービスの売れゆきや友人らの口コミなど、身近な話題を投資の参考情報として取り入れているという調査結果が出ています。
株式投資の銘柄選びに、ぜひあなたの得意分野を活かして、有望企業を探してみてはいかがでしょうか?
2007/07/05
日々雑感
セルコントロールとファイナンシャル・リテラシー
ロバート・キヨサキ氏の著書「金持ち父さん、貧乏父さん」で有名になった「ファイナンシャル・リテラシー(financial literacy)」という言葉があります。これは、お金に対する知識や能力のこと。
たとえば、3千万円の住宅ローンを30年ローンで組む場合、年間4%(返済総額約5156万円)の金利でお金を借りるのと、3%(約4553万円)でお金を借りるのでは返済額の総額に600万円以上もの差が出てしまいます。また、たとえ4%のローンを組んだ場合でも、5年間で100万円を貯めて繰り上げ返済を行えば返済額は200万円も縮小されます。このような、ちょっとした知識を身につけ、ちょっとした努力と工夫の積み重ねで将来的に大きな差となり、知識と努力と工夫が積もり積もれば、それは「余裕」につながるのです。これがファイナンシャル・リテラシーの力です。
このファイナンシャル・リテラシーとあわせて身につけたいのが、「セルフ・コントロール」です。セルフ・コントロールとは、私が尊敬するイタリア在住の女性デザイナーから、最近教えられた言葉。「勉強しようと思っていたら友人から食事のお誘い」とか「タクシーを利用すれば、朝はもう少しゆっくり眠れる」など、私たちの生活には誘惑や欲望がたくさん潜んでいます。どちらも小さな欲望かもしれませんが、彼女はなるべく「自分の欲望に反する選択をすることにしている」と言います。選択肢は「欲望」対「理性」……。理性をとることがセルフ・コントロールにつながるとも。
日々の小さな欲望に打ち勝つ強い心を養えば、大きな欲望(夢)にも一歩近づけるというもの。30歳を過ぎて、単身イタリアに乗り込み、デザイナーという夢を実現させた彼女らしい言葉です。
お金の使い方にもセルフ・コントロールはとても重要です。
投資の世界でも自分の予想に反して大きく下落してしまった場合は「損切り」することも、時には必要。「それでも、これは値が上がる」と確信を持つならば、値下がりしても我慢するセルフ・コントロールが必要。「こんなに下がるとは思わなかった」と後悔するのなら、早い段階で損切りすることもセルフ・コントロールです。無駄使いをセーブすることも然り。
皆さんの周りにも同じくらいの収入のはずなのに、なぜか人よりもちょっとリッチな生活を送っているという人がいるはずです。もしかしたら、その人は投資や外貨の運用で金銭的な余裕を生み出す方法をすでに知っているのかもしれません。投資のようなことは不安だという方ならば、まずは、少しでも有利な貯蓄手段を検討したり、セルフ・コントロールでお金の使い方を工夫したりするだけでも家計収支は大きく改善されるはずです。
皆様も、ファイナンシャル・リテラシーとセルフ・コントロールを身につけ、生活に潤いを与えてみませんか?
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