2007/06/27
投資
100万円の預け先(ETF編)
前回は投資信託についてお話しました。投資信託は、アナリストと呼ばれるその道のプロが運用支持を行なっているため、個人では投資判断が難しい海外の企業や不動産にも小額予算で投資できるのが最大の魅力でしたね。ただ、その反面、投資信託には売買手数料のほかにも、「信託報酬」という年間いくらかのコストが必要になります。信託報酬は、投資信託の日々の価格である「基準価額」に対して、一定の割合(パーセンテージ)のコストがかかります。このコストは、たとえば株価に連動するインデックス型などの場合は比較的割安となりますが、新興国の企業や外国の不動産になどに投資するタイプは3%超というように割高になるのが一般的です。でも、投資経験がある方なら、投資信託に求めるのは、自分では投資判断が難しいこれらのタイプであるのが一般的でしょう。期待値が大きく、複雑な投資信託こそ興味があるのに、手数料が高いため二の足を踏んでしまう場合も多いようです。
そこで検討したいのがETF。ETF(上場型投資信託)とは、Exchange Traded Fundsの略で、株価指数に連動し、通常の株式同様、証券取引所で売買される投資信託のことです。現在、最も一般的なETFは、日経平均株価やTOPIXなどの指数に合わせて連動するタイプ。一般の投資信託にも指数連動型は数多くあり、日々の基準価額はどちらもほぼ同じように推移しますが、ETFの最大の魅力は、税率や売買時の手数料が株式と同じ扱いとなる点。売買手数料は証券会社によって異なりますが、ネット証券を利用すれば50万円の投資で500円~1000円程度と一般の投資信託の買い付け手数料(平均的には購入価格の1.5パーセント程度)よりもずっと割安になります。また、保有期間中に発生する信託報酬も、人件費や広告費がほとんどかからないためETFは割安となっています。
株式投資に興味はあるけれど、自分で銘柄を選べないという方は、まず、日経平均株価やTOPIXに連動するETFからはじめてみるのもいいでしょう。
また、最近は楽天証券やイー・トレード証券など、一部の証券会社で海外のETF(海外株価指数連動型上場投資信託)の取り扱いをスタートしました。たとえば、イー・トレード証券では、この6月から欧米、韓国、タイ、中国など他国の株式指数に連動するタイプをはじめ、アルゼンチン、ブラジル、チリなど合計26カ国ものマーケットの指数から構成される「エマージング・マーケット・インデックス・ファンド」と呼ばれるETFの取り扱いをスタートしました。一般の投資信託なら新興国へ投資するファンドの場合、売買時に2パーセント程度、そのほかにも年間3パーセント超の信託報酬が必要になりますが、ETFならいずれも1パーセント未満と割安になっています。これならば、コストを気にせずプロに運用を託す投資信託の魅力も感受できそうですね。
具体的な商品としては、こちらのようなものがあります。米国の先行きが不透明な今、個人的にはこのなかの「シェアーズMSCI EAFEインデックス・ファンド」に興味を持っています。これは、EAFE(EuropeのE、AustraliaのA、Far EastのFEを略したもので米国を除く世界株式指数)に連動するタイプ。たった1つのETFで世界中に投資を行なえるなんて、すばらしいと思いませんか?
2007/06/19
投資
100万円の預け先(投資信託編)
現在、日本人の金融資産はおよそ1500兆円といわれています。そのうち、国内投資信託(海外へ投資するものも含む)の純資産残高は毎月のように過去最高を更新し、現在は76兆円規模にまで上昇しています。純資産残高とは、皆さんが保有している投資信託を現金化した場合の価値のこと。この数字がどのくらいすごいかは、バブルの頂点にあった1989年年末で、国内投信の純資産残高が58兆円だったことをみれば一目瞭然です。当時、投資信託の純資産と密接に関わりのある平均株価は3万8915円で、現在の平均株価の2倍以上の水準でした。
この背景には日本の株式市場が少しずつ上昇していることもありますが、それ以外の主な要因として「毎月分配型」で有名な国内外の債券市場へ投資をする投資信託が人気を集めたことが挙げられます。また、昨今では中国やインドをはじめとした成長著しい新興国へ投資する投資信託が上昇しており、高い成績を維持していることもあります。
こうしたことからも明らかな投資信託の魅力の1つは、個人で直接投資が難しい外国企業や債券へも投資できること。日本企業への投資ならば、その企業を判断するニュースや情報も簡単に手に入れることができますが、海外企業の情報や債券の優劣は、やはり自分1人の判断では心もとないと考える方も多いでしょう。
もう1つの魅力は、少ない資金でも、投資できる点にあります。中には、個人では予算的に投資ができない「不動産」などを運用対象に組み入れている投資信託もありますが、こうした投資信託も、ほとんど1万円程度の予算から買うことができます。
投資信託とは、広く投資家から集めた資金を、ファンドマネージャやコンピュータの判断で、国内外の「債券」「株式」「不動産」などに投資するもの。これらの投資対象に分散したものは「バランス型」と呼ばれます。各投資対象から得られた利益は「毎月」「隔月」「半年おき」など一定の間隔で投資家に振り分けられる仕組みです(この分配金は預貯金よりも高いものが多いため、人気を集めている)。
また、投資信託の日々の価値は「基準価額」と呼ばれ、運用成績が高い投資信託は値上がりし、逆に低い投資信託は値下がりする仕組みです。しかし、外国へ投資する投資信託の中には、為替の影響を受けるタイプも多いので、これが基準価額に作用することもあります。
日々の基準価格や過去の推移は、各種ファイナンス系情報サイトで確認できます。たとえば、中国の企業を投資対象とした「チャイナオープン」の過去5年の推移を、ヤフーファイナンスで確認してみましょう。
乱高下を繰り返しながらも、この5年間で4倍近くにまで上昇したことが分かります。ただ、これはあくまでも過去の推移。中国やインドは人口も多い国ですし、今後もまだまだ発展する余地は大きいでしょう。ただし、過去5年の上昇があまりにも急激であったため、今後も右肩上がりの上昇が続くとは言い切れません。2008年に開催が予定されている北京オリンピック前後をピークに、しばしの調整もあり得ると私は考えています。
また、中国以外の新興国は市場規模が極端に小さい点も忘れてはいけません。最近はベトナムなどの株式市場も世界中から人気を集めており、注目されている間は世界中から資金が集まり、急激に株価も上昇します。しかし、たとえば「鳥インフルエンザ」などが再び発生すると、我先にと資金が市場から流出する可能性があるのです。中には地震や戦争など地政学的リスクを抱えた国々もあるでしょう。長期的に見れば、欧米や日本のようにすでに発展した国よりも、これから発展する国の方が成長力は高くなります。株価も、きっとまだまだ上昇するでしょう。ただし、成長中の国と企業だからこそ、抱えているリスクも多いということを理解した上で投資をすることが大前提。実際、私も中国やインドに投資する投資信託を保有していますが、これは老後の資金と決め込み、長期運用を心がけ、日々の基準価格に一喜一憂しないように決めています。
それでは、今、どんな投資信託に注目すればいいのでしょうか?
株式投資を行なっていない方ならば、まず、海外ではなく日本企業への応援の意味も含めて日本株に投資する投資信託を考えてみてはいかがでしょう。一方、日本に輝かしい未来は無いと考える人ならば、投資信託を通して海外へ投資するのも一法。さらに、今後も円安が進むと考える方は「為替ヘッジなし」というタイプを選べば、為替差益も手に入れることができます。逆に、今後は円高に傾くと考えるならば「為替ヘッジあり」を選択します。このように、ある程度は、自分の「これからは、こう思う」という主観を投資信託選びに活かしてみることをオススメします。
日本国内で販売される投資信託も3000本を超え、その特徴はさまざまです。ただ、最近では銀行や郵便局など身近な金融機関でも投資信託は販売されていますので、まずは、その商品性を確認するためにも、ご興味ある方は、金融機関の「投信窓口」を訪れてみてはいかがでしょう。
2007/06/13
投資
100万円の預け先(株式投資にチャレンジ)
夏のボーナスシーズンを前に「株式投資にチャレンジしてみたい」という相談を受けることが増えてきました。「100万円の預け先」のシリーズも、いよいよ5回目となりましたので、今回は今話題の株式投資について、その魅力と注意点をご紹介します。
まず、株式投資とは、自分の資金を「市場」を通して、企業に「投資」することを意味します。要は、がんばって欲しい企業の経営に自分も「お金」を通して参加することです。その代償として優待や配当、将来の企業価値(株価)で、投資家に報いるのが上場企業の役目となります。そのため「信頼できる企業にもっとがんばって欲しい」という気持ちで投資するのが、株式投資本来の考え方。世の中には「うちの会社は儲かっているよ」「○○会社は決算がいいらしい」などの噂が氾濫していますが、それを信じて投資を行なうことはとても危険です。もちろん、その多くは噂の範疇ということが多く、同じような噂ですでに株価が本来の価値以上に上昇していることも多いもの。
余談ですが、破綻した某證券会社に勤めていた友人は、暴落した自社株を部長も課長も窓口の女性スタッフもみんなで「底値」だと信じて購入したと言います。証券に詳しい証券会社の社員ですら「破綻」の事実を当日まで気づくことがなかったのですから、そんなに簡単に「情報」は流出するものではありません。取引先や一社員のうわさ程度なら、そんな重大な情報が外に漏れる企業を信頼できるでしょうか? もちろん、その情報が本物であれば、インサイダー情報で法律に触れます。株式投資とは、そんなに単純なものではないということを、まずは覚えておいてください。
さて、本題に戻ります。
株式投資を行なう前に必要となるのが、証券会社への口座開設です。どこの証券会社へ口座を作ればいいのか……。ここで思い悩んで躊躇してしまう方も多いようですが、100万円規模の投資であれば、どこの証券会社でも、それほど大差はありません。ただ、株式の売買には「売買手数料」というコストがかかります。昔に比べれば、かなり割安となっていますが、インターネットをご利用の方であれば、やはり手間やコストの面でネット証券が有利。現在、個人投資家に人気の証券会社はSBIイー・トレード証券、楽天証券、カブドットコム証券、マネックス証券などが挙げられます。これらの証券会社は口座を開設に伴う手数料は発生しないため、いくつかの証券会社に口座を開設してみて、使い勝手を実際に比較してみるのもいいでしょう。個人的には注文画面がわかりやすく、投資信託など株式以外の品揃えも豊富なSBIイー・トレード証券がお勧めです。同社は手数料も割安なので、初心者には利用しやすい証券会社だと思います。
また、口座開設の際は「一般口座」「特定口座・源泉徴収なし」「特定口座・源泉徴収あり」の3つの選択肢があり、税金の支払手段を任意で選ぶことになります。確定申告に慣れないサラリーマンやOLなら「特定口座・源泉徴収あり」を選んでおけば、利益が出た場合も、面倒な確定申告を行なう手間が省けるので便利でしょう。
口座を開設したら、次は金融機関からお金を入金します。「買付け余力」に入金した金額が反映されたら、いよいよ取引スタート。株式市場に上場する企業は現在およそ3000社ありますが、はじめは「どんな商売をしているのかわかりやすい」企業に、予算の3割(株式投資に使えるお金が100万円あれば30万円程度)を目安に投資をしましょう。はじめは、買ったつもりで株価の推移を確認するだけでもOK。株価が上昇しても下落しても「どうしてだろう?」と確認する習慣をつけましょう。
株価は企業の業績が反映されるものですが、景気や金利、同業他社の動向によって思わぬ方向に迷走することもあります。この場合も「どうして?」を自分なりに把握しておけば、売買のタイミングを逃さなくてすむはずです。株価が下がっても、魅力ある企業は再び見直されるもの。もしも、企業としての魅力が薄れた場合は、損をしていても他の銘柄に乗り換えたほうが安全と判断しましょう。
さらに、株式を購入する場合は、利益や損失をおおまかに限定しておくのも1つの方法です。30万円で購入した銘柄が10%安くなってしまったら、いったん売却する。15%上昇したら売って利益を確定する。また、投資期間を定めておくという方法もあります。
優待や配当金を目当てであれば長期で保有し、毎年、インカムゲインを楽しむのもいいでしょう。「買ったら長期で保有する」「大きな損をしたくないからあらかじめ下値を限定しておく」といったルールを自分で作っておけば、日々の株価に一喜一憂する心配もなく安心かもしれません。
株式投資については、とても一時に語りきることはできませんが、これからも、このブログで少しずつ解説していくつもりです。また、疑問や不安があれば、この場で少しずつでもお答えしていこうと思っています。ご意見がありましたら、どうぞコメント欄をご利用ください。
2007/06/06
投資
100万円の預け先(リスクと向き合う前に……)
これまで数回に渡り、100万円の安定した運用法をご紹介してきました。次回以降は、「少々のリスクがあっても増やしたい!」という人のための積極投資法を紹介しますが、その前に、そうした「リスク」と向き合う前に知っておくべき、マネープランのキホンについて確認しておきましょう。
お金には、いろいろな使途・目的があるものです。なかには「増やす」ことだけを目的にしている人もいるかもしれません。ある人は「マイホーム」や「希望に満ちた老後を迎えるため」、また、ある人は子供の養育費などを目的にお金を貯めているはずです。
いったん家計に入ってきたお金は、あなた次第! 宝飾品やブランド品などで身をまとうことで満足を得られるというならば、それも正しい使い方です(もちろん、自分の収入の範囲であればですが)。人は「マイホームを手に入れた」「子供を立派に育て上げた」「楽しい老後を過ごせた」など、満足するためにお金を使い、これを糧に人生を謳歌するのですから……。
何に「満足」を得られるか。これが「目的」となり、目的を達成するためにはどうすれば良いのか「計画」を立て、少しずつでも「行動」すること!これが、マネープランのもっとも基礎となる部分です。
この中で一番難しいのが「行動」です。収入が限られるサラリーマンは、キャリアアップを目指した資格の取得や転職を試みることが、行動の1つの選択となります。それに限界があるならば、次は「お金に働いてもらう」という行動パターンが選択肢として出てくるわけです。
その1つが、本ブログのメインテーマの1つでもある「投資」です。
株式投資や投資信託なら、これまでと同じように働き安定した収入を確保しながらも、「お金にも働いてもらう」ことができます。配当金や分配金といった利息を得ながら、時には何倍もの売却益を手にすることも可能になるわけです。
実際、大手都市銀行の株価はこの数年で5~10倍にまで上昇しています。成長著しい中国上海の株価指数は2年で4倍に! その一方で、新興株ブームで沸いた一部の企業は5分の1~10分の1にまで下落している実情もありますので、投資は必ず儲かるとは言い切れません。
ただ、リスクをとった代償として十分な満足を得られるのも投資です。100万円の余裕資金ができたならば、そのすべてを投資で運用する必要はありません。そのうち、いくらなら自分で損失を含めて納得できる金額なのか? 詳細は次回説明しますが、こうしたことを計画して、たとえば2~3割を投資型金融商品の運用に向けてみるというのはいかがでしょう?
次回は、「お金の働き先」の1つである株式投資。その魅力と注意点を考えてみたいと思います。
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