ABO:ファイナンシャルプランナー山田章子のマネー相談室

ファイナンシャルプランナー 山田章子のマネー相談室

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2007/04/25

投資
新興国への投資

 「BRICs」「N-11」「VTICs」「TIPs」「VISTA」……。

 パソコンに使われる専門用語のような言葉が並びましたが、実はコレ、すべて国をあらわす造語です。この造語を見て、みなさんはいくつの国を挙げることができましたか?(答えは最後に書きます)

 他は知らなくても、「BRICs(ブリックス)」であれば目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。BRICsは、2003年にゴールドマンサックスが、新しい投資先として有望な国に「ブラジル、ロシア、インド、中国」を挙げ、4カ国の頭文字を並べて命名したものです。この造語効果とも言いましょうか。これら4カ国に投資する投資信託は以来増加を続け、1口あたりの価値を示す価格(パフォーマンスや残高)が3~5倍と大きく上昇しています。
 確かに、人口大国でもある上記の国々は今、経済成長も著しく、資源も豊富。経済成長率の目安として使われるGDP(国内総生産)の数値を確認しても、インドは3年連続7%超、中国は二桁増で経済規模を拡大しています。すでに成長期を過ぎ、少子高齢化を迎える日本や欧米では、これほど高い成長率を見込むことはできません。

 ただ、先週のエントリで南アフリカについてリスクを説明したのと同様に、こうした新興国の市場は先進国にはないリスクも潜みます。米国に次いで2位の市場規模を誇る日本と比べれば、新興国市場で流通する通貨や株式は、ごく小規模。世界には私たちの想像を超えるお金持ちがたくさんいますから、彼らなら個人資産で市場ごと買い取ってしまうことも可能でしょう。こんな小さな市場へ各国から資金が流入して、わずか数年で何倍にも膨れ上がっているのですから、高い経済成長率を先読みしてのこととはいえ少し過敏にならざるを得ません。

 もちろん、これらの国々は成長期にあり、今後もますますの発展が期待できます。そのため、新興国への投資は長期的にはメリットも大きいと思われます。ただ、これまでのようにBRICsをはじめとした新興国の株式が継続的に右肩上がりを続けていくわけではありません。時には20~30%を超えるような大きな調整局面も迎えることがあるかもしれません。

 新興国への投資は余裕資金の範囲で……。これを心がけていただきたいと思います。

「BRICs(ブリックス)」
ブラジル、ロシア、インド、中国

「N-11(ネクストイレブン)」
バングラディッシュ、エジプト、インドネシア、イラン、メキシコ、韓国、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム

「VTICs(ヴィティックス)」
ベトナム、タイ、インド、中国

「TIPs(ティップス)」
タイ、インド、フィリピン

「VISTA(ビスタ)」
ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン


2007/04/17

各種金融商品
利回り8%超もあり!? 債券って何?

 最近テレビCMなどでもよく見かけるのが、個人向け国債や、高利回りの外国債券、毎月分配型のアノ人気投資信託「グローバルソブリン」などです。これらの共通点は、すべて債券で運用されているということ。今回は、何かと見聞きすることが増えてきた債券投資の魅力と注意点を考えてみましょう。

 まず、債券とは…。

 簡単に言うと、投資家からお金を借りるために発行する借用書のようなものです。債券にはいろいろな種類があり、その仕組みも複雑です。解説本などを読んでも分かりづらい人は、自分(投資家)は「金貸し」だと考えて読み進むと、債券の仕組みを理解しやすくなると思います。

 債権について、簡単に説明しておきましょう。まず、債券を発行しているのは、国や地方自治体、企業などで、国が発行するものを国債(外国債)、地方が発行するものは地方債、企業が発行するものを社債と呼び、投資家は「月払い」や「年払い」あるいは「満期時にまとめて」というかたちで、いくらかの利金(利子)を受け取ることができます。そして、貸した(投資した)元本は、最後にまとめて返してもらうことができるのです。

 この利回りや満期までの期日、一口あたりの投資額は、債券によって異なります。一般的には信用度の高い債券は利回りが低く、信用度が低いと利回りは高くなります。信用できない人には、よほどのメリットがないとお金を貸せないですものね。
 また、現在日本政府が個人向けに発行する個人向け国債は、10年満期の変動タイプで年0.9%程度の利率になっています。一方、南アフリカのランドで運用する債券(発行体はアジア開発銀行など)は、年利8%超というタイプもあります。

 この2つの債券を比較すると、まず利率の差に目がいってしまいますが、内容をもう少し検証してみましょう。

 まず、日本の個人向け国債は「変動型」。要するに、金利に連動する仕組みで、利率は半年置きに見直されます。日銀による利上げが続けば、利率も高くなりますが、利下げが行なわれても最低利率は維持されますので元本割れをおこす心配はありません。また、1万円から投資でき、途中で解約する場合も基本的に元本は保証されているという安心感があります。

 一方、南アフリカのランド債は、利率が固定型。最初に決められた利率が満期までずっと継続する仕組みです。年間8%超など利率はいいのですが、ランド建てであることに注意が必要です。最初に円をランドに交換し、最後にランドを円に戻すため為替差益や差損が生じるからです。現在は、1南アフリカランド(ZAR)が17円程度ですが、対円為替レートが13円台半ばまで円高に向かえば、元本は20%も減少してしまうことになります。また、途中で売却する場合は、実勢価格にて証券会社に引き取ってもらうことになりますので、元本は保証されません。

 南アフリカはダイヤモンドや金といった豊富な資源を持つ国です。また、2010年にはFIFAワールドカップも開催されます。これに向けて経済も好調に推移していますので、投資対象として興味深いものがあります。しかし、為替リスクや地政学的リスクなども念頭において、投資額は自分の許容範囲に留めておくことが重要でしょう。これは他国への投資や他の投資型金融商品にも共通することです。
 できれば、安全だけど利回りの少ないもの(個人向け国債や定期預金)と、リスクとリターンを見込めるもの(投資信託や株式、外国債券など)に分散投資しておきたいものですね。


2007/04/10

日々雑感
まだATMで手数料払ってる?

 ここ最近、大手都市銀行では手数料無料で利用できるATMを拡充しています。

 コンビニエンスストアにATMが設置されるようになり、24時間入出金が可能となったと同時に、入出金のたびに平日の日中は105円、夜間など時間外は210円の手数料が徴収されるのが一般的となりました。ところが、銀行間でこの手数料を無料化する動きが、今、進んでいます。

 これまでも、提携するコンビニのATMをきちんと選択すれば入手金にかかる手数料を無料にすることは可能でした。ところが、うっかり別のコンビニでお金を引き出そうとすると平日の日中なのにも関わらず手数料がかかってしまった…。こんな経験をお持ちの方も少なくないでしょう。そう、銀行のキャッシュカードは、利用するATMによって手数料体系が異なっているのです。

 ところが、金融機関も店舗の縮小や合併といった企業努力で収益体勢も大きく改善されました。政府への借金も返済が終わり、ここへ来てやっと私たち預金者へのサービス向上に目を向ける余裕が出来たというところでしょう。大手都市銀行は自行に設置されたATMとほぼ同様の手数料体系で利用できるコンビニATMを拡大! さらに、インタネットバンキングの申し込みなど、ちょっとした工夫で時間外手数料までも無料に…。

 たとえば、三井住友銀行の場合、普通預金口座をそのまま「One's plus」口座へ移行するだけで、ほとんどすべてのATMで平日の入出金手数料が無料となります。また、通帳をWeb上で管理するWeb通帳に切り替えると、夜間や休日の入出金手数料や当行内の振り込み手数料も無料(電話オペレーターを利用しての振込は除く)です。自宅や職場、携帯電話からもアクセス可能なインターネットバンクは便利ですし、手数料も窓口を利用するよりずっとお得! さらに通帳を廃止してWebで管理できれば、盗難などの心配も必要なくなります。

 もちろん、他行でも同じような新口座を設け、これを利用する預金者にはATMや振込にかかる手数料の優遇という形でサービスを拡充しています。

 都市銀行の普通預金金利は0.2%にまで上昇したとはいえ、100万円を預け入れた場合の利息は年間2000円(実際、通帳に記帳されるのは税引きで1600円)です。100万円も預金をして年間1600円の利息しか得られないのですから、余分な手数料は少しでも節約したいものですね。


2007/04/03

金利
銀行を選ぶ

 TBSで放送されていた「華麗なる一族」が最終回を迎え、日曜日の楽しみが1つ消えてしまいました。豪華なセットや女性陣のセレブなスタイルにも興味津々といったところですが、特に興味深かったのは企業買収や銀行の再編といったテーマが盛り込まれていたこと。「外資の参入で護送船団方式できた邦銀も自由化を余儀なくされる。金利の自由化が行なわれれば弱者が生まれ、破綻する銀行が登場するだろう。それを事前に防ぐために、今のうちに銀行を再編し強力(メガバンク)にしておかなければならない」。政府のこのような企みのもと、主人公はじめ、役人や金融機関までも踊らされることになるのですが、原作はなんと昭和40年代に発表されたもの! 実際、金融ビックバンが進み、金利の自由化が行なわれたのはつい最近の話ですから、原作者である山崎豊子氏の先見の明には脱帽です。

 実際に今、金融機関の再編が進み、度重なる変更で銀行名を覚えるだけでも一苦労という時代がやってきました。ただ、その一方で他業種からの参入が拡大し、新しい銀行も登場しています。中にはネット専業銀行のように窓口や店舗を持たない新しいタイプの銀行も…。これらの銀行は、口座開設から取引まですべてをインターネットで行ないます。入出金はコンビニエンスストアや他銀行のATMが窓口。そのため、人件費や店舗維持に関わる経費を削減でき、その分を「預金金利」や「手数料」といったサービス面で顧客へ還元される仕組みになっているのです。

 たとえば、大手都市銀行の普通預金金利は0.2%程度なのに対し、ソニーバンクは0.3%、イーバンク銀行は0.35%。こうしたネット専業銀行では、大手4行の1年定期預金並の金利となっています。今後も利上げが継続されるならば、さらに金利差は拡大するでしょう。金融の自由化以降、各行さまざまな金利体系をこれまでも打ち出してきましたが、そもそもの金利が低水準で2~3倍の変化があっても利息に換算すると微々たるもの…。口座開設などの手間を考えて、躊躇されてきた方も多いはず。でも、これからは「金利」で預け先や金融商品を比較する時代! 場合によっては「外貨預金は手数料の安いソニーバンク」「家賃振込みや遠くで暮らす家族への仕送り用に手数料が無料となる新生銀行」など、預金種別や目的別に金融機関を分けるのも1つの方法だと思います。



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