ABO:ファイナンシャルプランナー山田章子のマネー相談室

ファイナンシャルプランナー 山田章子のマネー相談室

 自民党税制調査会の大綱によると、先週お話していた株式投資の譲渡益にかかわる税率は、もう1年引き伸ばされることになりそうです。譲渡益課税は2008年末まで、配当は2009年3月まで10%の軽減税率が続行されます。
 個人的には、引き伸ばしのメリットはフィフティーフィフティーかな…と考えています。特に証券税制の優遇措置は、廃止と共に「株価が下がる」との不安とリスクが市場に付きまとうため、終わらせるものは予定どおり終わらせて新しいステージを歩むことも必要なのではないでしょうか。
 結局、税率が本来の20%に是正されたところで、マーケット全体に大きな影響を及ぼすとは考えにくいのですし…。

 ところで、株式市場では税金対策のための「売り」が、この時期に毎年心配されます。平均株価の上昇で、ここ数年は、株で利益を得た人が多かったため、少しでも支払う税金を抑えたいと「株価が下がっている銘柄を売り」、利益と相殺しようとする投資家が増えたためです。ところが、今年はライブドアショックの影響もあり、新興銘柄を中心にアクティブに売買を繰り返した個人投資家はほとんどが株式投資で利益を得られていないのが実情です。そのため、税金対策の売り圧力を心配する声はほとんど聞かれません。

 ところが、損をした1年だからこそ「損益通算」や「譲渡損失の繰越控除」といった税のメリットをもう一度考えて頂きたいと思うのです。

 損益通算とは、いくつかの証券会社に口座を設けて取引を行なっている人が、一方の口座では利益があり、もう一方の口座では損をしているといった場合に双方の利益と損失を合算できる制度です。
 損失控除は、簡単な確定申告で今年の損失を提出しておくことで、来年以降3年間で得た譲渡益から、今年の損失分を相殺できるという制度。いずれの場合も、一度株式を売却し、損益を明確にして確定申告を行なうことが条件となります。

 要するに「損をした年だからこそ、いったん損失を確定しておき、来年以降の利益に対する節税対策を今のうちに準備しておこう」ということ。

 この場合、一度売却した銘柄は「将来性」をもう一度、見極めてみましょう。自信が持てれば、売却した翌日に新たに買いなおしてもよし! 他に有望な銘柄があれば、これを機に選別しなおすのも1つの方法です。
 証券口座も、年末の大掃除の時期です。いるもの、いらないものを、もう一度見直し、スッキリした気持ちで来年以降に備えていきたいものです。

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